Nature ハイライト
Cover Story:小さな大発見:琥珀の中に保存されていた小さな恐竜の完全な頭蓋
Nature 579, 7798
表紙の琥珀のかけらは、差し渡しで31.5 mmしかない。これはミャンマーで発見されたもので、既知最小の中生代の恐竜のものと思われる完全な頭蓋を含んでいる。今回J OʻConnorたちは、この頭蓋が約9900万年前の原始的な鳥類に似た新種の恐竜のものであることを明らかにし、Oculudentavis khaungraaeと命名した。頭蓋自体は、長さが14.25 mmしかなく、この生物のサイズが、現生鳥類で最小のマメハチドリ(Mellisuga helenae)と同じくらいであったことになる。眼の小さな開口部は、O. khaungraaeが、明るい昼間の環境で活発に活動していたことを示唆しており、顎に並んだ長い歯列は、主に無脊椎動物を捕食していたことを思わせる。この小さなサイズの化石は、恐竜の小型化がこれまで考えられていたより早く進んでいた可能性を示唆している。
2020年3月12日号の Nature ハイライト
電子デバイス:近藤遮蔽雲の観測
コンピューター技術:磁壁を使った論理回路
ナノスケール材料:グラフェンの(不)透過性の限界
地球化学:ルテニウム同位体によって制約される初期地球への揮発性成分の集積
微生物学:自然免疫の策略によって毒素が中和される
代謝:肝臓糖新生へのグルカゴン作用に関する新たな知見
腫瘍生物学:前転移ニッチを標的としたエピジェネティック療法
タンパク質合成:DNA修復キナーゼのこれまで知られていなかった役割
構造生物学:アレスチン複合体を捕捉する