Nature ハイライト

Cover Story:歯と顎:シルル紀の化石層によって明らかになった初期の有顎脊椎動物の起源と多様性

Nature 609, 7929

中国で新たに発見された前期シルル紀の古代魚の想像図。上から、軟骨魚類の<i>Shenacanthus vermiformis</i>と<i>Fanjingshania renovata</i>、顎口類の<i>Qianodus duplicis</i>、ガレアスピス類の<i>Tujiaaspis vividus</i>、顎口類の<i>Xiushanosteus mirabilis</i>。いずれも新属新種。
中国で新たに発見された前期シルル紀の古代魚の想像図。上から、軟骨魚類のShenacanthus vermiformisFanjingshania renovata、顎口類のQianodus duplicis、ガレアスピス類のTujiaaspis vividus、顎口類のXiushanosteus mirabilis。いずれも新属新種。 | 拡大する

Credit: Heming Zhang

表紙は、今回新たに発見されたシルル紀の古代魚5種の想像図で、上から順にShenacanthus vermiformisFanjingshania renovataQianodus duplicisTujiaaspis vividusXiushanosteus mirabilisを示す。これらの魚類の化石は、中国南部にある年代が4億3600万年前と4億3900万年前の保存状態の良い2つの地層で見つかったものである。今回M Zhuたちは、これらの化石層を発掘し、そこで発見した化石を4報の論文で記載・検討している。化石の保存状態が非常に良いため、有顎動物がどのように進化し、多様化したかという難しい問題に光を当てることが可能になった。中でも、有顎脊椎動物の既知最古の歯が、これまで知られていなかったサメの類縁種のQianodusから得られている。今回の知見を合わせると、前期シルル紀の有顎動物における多様性について新たな状況が見えてくる。

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