Nature ハイライト
Cover Story:歯と顎:シルル紀の化石層によって明らかになった初期の有顎脊椎動物の起源と多様性
Nature 609, 7929
表紙は、今回新たに発見されたシルル紀の古代魚5種の想像図で、上から順にShenacanthus vermiformis、Fanjingshania renovata、Qianodus duplicis、Tujiaaspis vividus、Xiushanosteus mirabilisを示す。これらの魚類の化石は、中国南部にある年代が4億3600万年前と4億3900万年前の保存状態の良い2つの地層で見つかったものである。今回M Zhuたちは、これらの化石層を発掘し、そこで発見した化石を4報の論文で記載・検討している。化石の保存状態が非常に良いため、有顎動物がどのように進化し、多様化したかという難しい問題に光を当てることが可能になった。中でも、有顎脊椎動物の既知最古の歯が、これまで知られていなかったサメの類縁種のQianodusから得られている。今回の知見を合わせると、前期シルル紀の有顎動物における多様性について新たな状況が見えてくる。
2022年9月29日号の Nature ハイライト
生物学的手法:神経系モデルに統一命名法を
天文学:大きく広がる電波ハローに埋もれた銀河団
天文学:スペクトル観測によるマゼラン雲コロナの証拠
量子物理学:6キュービットプロセッサーの実現
材料科学:体心立方金属における異常すべりの起源
画像化技術:液体中の単一吸着原子のTEM観察
気候科学:南極氷棚の薄化
計算生物学:細胞状態遷移の制御
発生生物学:栄養シグナル伝達による植物の発生制御
ゲノミクス:新たな系統ゲノミクスによる組換えウイルスの検出法
免疫学:時間をかけたワクチン送達手法で効果が増強
細胞生物学:バッテン病に関わるグリセロリン脂質代謝異常
がん:group 3およびgroup 4の髄芽腫の統一起源
がん:group 4髄芽腫の発生起源
生物工学:細菌を生成源とするプロトセルのボトムアップ構築
分子生物学:NuMAはプロモーターを酸化的損傷から守る
構造生物学:テロメアの円柱状構造
構造生物学:ヒトの還元型葉酸輸送体による抗葉酸剤メトトレキセートの認識