2021年12月号Volume 18 Number 12

21世紀末の世界人口を予測する

今世紀末、地球にどれだけの人間がいるか? 複数の研究グループが、さまざまな方法で推定を行っている。国連の研究チームの予想は110億人。一方、88億人とした論文が議論を呼んでいて、LANCETに掲載されたこの論文に、人口統計学者170人が署名付きで疑問を呈した。この数字が、なぜそれほど重要なのだろう。それは、何十年も先の「将来の」人口は、各国の「現在の」政策を左右するからだ。

Editorial

Free access

COVID-19パンデミックの際に忌憚なく意見を述べた研究者たちが、ハラスメントに直面している。所属機関は、こうした研究者を支援する施策の充実を図らなければならない。

Top of page ⤴

News in Japan

Free access

第二次世界大戦終戦前後まで、日本を悩ませた問題は「栄養の欠乏」だった。ところが、その問題は1960年代ごろから「栄養の過剰」へと急速に変化する。中村丁次氏は、この両極端な問題を解決して健康寿命の延伸を成し遂げるべく、日本で最初の栄養相談室を開設し、健康な食事を研究、指導してきた。日本の経験は、世界の栄養不良問題の解決に役立つはずだ。そう考えた中村氏は、東京栄養サミット2021に先立ち、日本の経験を科学的見地からまとめた『ジャパン・ニュートリション』を出版した。

Top of page ⤴

News in Focus

Top of page ⤴

Feature

国連の予想によると、今世紀末には地球上には110億人近い人々がひしめくことになるという。しかし、他の人口統計学研究グループは、ピークに達する時期はもっと早く、ピークの高さももっと低いと予想している。

Top of page ⤴

World View

Top of page ⤴

Comment

Top of page ⤴

News & Views

アラビア半島は、ヒト(現生人類に至る動物の系統)、およびヒト族の近縁種が アフリカを離れ始めたときの移動の要衝だった。考古学的証拠および当時の推定される気候から、初期人類がアラビアに居住していた時代のことが明らかになった。

ベンゼン環は、通常の反応条件では非常に壊れにくい。今回、ベンゼン環のC–C結合を選択的に切断できる開環反応が開発され、芳香族化合物が持つ、鎖状分子合成の構成要素としての可能性が浮き彫りになった。

老化が骨量減少にどのように関与するのかは分かっていない。 今回、老化したマウスでは、骨格幹細胞が、 骨芽細胞と呼ばれる骨形成細胞を生み出す能力を失い、 代わりに破骨細胞と呼ばれる骨吸収細胞の生成を促進することが明らかになった。

キイロショウジョウバエDrosophila melanogasterは社会的動物だ。今回、キイロショウジョウバエを長期的に社会的孤立状態に置くと、睡眠と摂食パターンの調節障害が起こることが分かり、長期間にわたって社会的接触が断たれると健康にどのような影響が表れるかについての手掛かりが得られた。

Top of page ⤴

Advances

Top of page ⤴

Where I Work

Free access

María Fernanda Cerdáは、共和国大学(ウルグアイ・モンテビデオ)の化学者。

Top of page ⤴