1年を振り返って
各号の中から特に印象深かった記事を紹介します。オンライン版Nature ダイジェスト購読者の皆様は、全てのHTML記事(2011年〜)にアクセスいただけます。特別公開記事は、購読されていない方でもご覧いただけますが、ご登録(無料)が必要です。
2022
2022年も、人類はCOVID-19から解放されませんでした。このパンデミックはいつ終わるのか?2003年のSARS、2012年のMERS、そしてCOVID-19を引き起こすSARS-Cov-2の流行からも、コロナウイルスの脅威はこれでおしまい、とはいかないように思えます(2017年9月号「コロナウイルスの自然宿主はやっぱりコウモリ!」)。
薬やワクチン開発を支えている人類の科学は完璧ではありませんし、たとえ良いワクチンや薬ができても、貧富の格差が分配を妨げます。それに、こうした感染症が頻発する根本には、野生動物と人との接触機会の増加があります。森林破壊問題に各国が連携して取り組む必要があることは明らかですが、この問題の根底にも、やはり貧困があります。2022年のNatureには、貧困や不平等に切り込む記事が多く掲載されました(「エビデンスに基づく教育」で遅れを取り戻す〔8月号〕、貧困を減らす方法を求めて〔9月号〕、人にも地球にも「ヘルシー」な食生活とは?〔3月号〕)。
さて、小誌ですが、3月号から「Research Highlight」セクションを拡充しました。さまざまな雑誌から集めた珠玉の科学ニュースをお楽しみください。またウェブ版には、話題のトピックごとに記事を集めた「コレクション」も新設しました(トピックは今後も増やしてまいります!)。持続可能な世界を実現するために科学の力が求められる昨今、皆さまのアイデアを刺激する「コレクション」となれるよう努めます。
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1月号
1月号数千億円の「脳地図」から見えてきたこと
「宇宙から地球を観察して、人間の会話を盗み聞きするようなもの」。そうたとえられる脳地図作りに、世界中の科学者たちが力を合わせて取り組んでいる。脳の細胞同士のつながりを把握することで脳が働く仕組みを理解し、医療につなげることが目的だ。各国の予算を合わせると約9000億円にもなるが、その取り組みは、脳神経科学に既に新たな視野をもたらしている。
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2月号
2月号ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡、宇宙へ
その構想から30余年、ハッブル宇宙望遠鏡の後継「ウェッブ」が2021年12月25日に打ち上げられた。2022年1月9日には主鏡の展開が完了し、1月25日には地球から150万km離れた観測場所に到達した。ウェッブが狙うのは、ハッブルが捉えた深宇宙の更なる深淵、つまり、宇宙が誕生したとされる138億年前だ。
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3月号
3月号人にも地球にも「ヘルシー」な食生活とは?
栄養が十分に取れて地球環境の脅威にならないこと。私たちが目指さねばならない食生活だ。2019年、栄養学者や生態学者らが「EAT–Lancet食」を発表した。それは誰もが実践できる内容ではなかったが、持続可能な食が注目されるようになった。そして現在、地域ごとに「最適な食物」を見定めるための研究が、世界各国で行われている。
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4月号
4月号尿のリサイクルが世界を救う
尿は、栄養素に富んだ「価値ある資源」だ。下水から尿を分離することで、難しい環境問題のいくつかが緩和され、持続可能な形で肥料を供給することも可能になる。そうした取り組みは何十年も前から行われてきたが、普及に至っていない。「排泄」は生活の基本的な側面であり、そのやり方を根本から変える必要があるからだ。この障壁を越えるにはまず、トイレや尿そのものに対する見方や考え方を変える必要がある。
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5月号
5月号心臓と頭部の結び付きの謎
頭はどのように生じたのか? ヒトと同じ哺乳類であるマウスで、頭部に分化する胚の細胞が、心臓に分化する細胞と同じ集団と分かったのは2010年のことだ。一方、脊椎動物に最も近い無脊椎動物は、手足もなければ頭もないホヤと明らかになり、生物学界に衝撃がもたらされたのは2006年。現在、ホヤをはじめとする尾索動物から脊椎動物のボディープランの進化に関する手掛かりが得られ始めている。
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6月号
6月号アルツハイマー病を発症前に治療する
認知症全体の約3分の2を占めるアルツハイマー型認知症。その社会的な影響の大きさから治療薬の開発が強力に推し進められているが、明確な効果を示すものは得られていない。臨床試験が行われている薬の多くは脳のアミロイド斑を標的としているのだが、試験参加者の病が進行し過ぎていたために効果が得られなかった可能性があるという。そこで現在、発症前の人に薬を投与する試験が進められている。
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7月号
7月号タンパク質構造予測AIによる革命と「その先」
タンパク質のアミノ酸配列からタンパク質の立体構造を予測する、ディープマインド社の「AlphaFold(アルファフォールド)」。深層学習の手法でトレーニングしたニューラルネットワーク(脳回路を模した機構)を用いた、人工知能(AI)プログラムである。2021年7月に公開されてから1年足らずで、早くも生物学に大変革をもたらしている。
プラスチックのリサイクルに最適な酵素
ポリエチレンテレフタレート(PET)廃棄物は食品包装に適した材料に再生可能だが、現在そうしたリサイクルは飲料用のPETボトルなどに限定されている。今回、リサイクル原料の選択肢を大きく広げる酵素が、機械学習を用いて開発された。
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8月号
8月号「エビデンスに基づく教育」で失われた学習機会を取り戻す
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行は、史上最大の教育崩壊を引き起こし、世界の教育格差を露わにした。子どもたちが学習の遅れを取り戻すにはどうしたらいいのか? 過去20~30年にわたり世界中で蓄積されてきたエビデンスから、実はすでに、最も効果的な戦略が明らかになっている。
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9月号
9月号 -
10月号
10月号腸内細菌はがん治療を強化できるか
患者自身の免疫系を解き放つがん免疫療法。強力な治療法だが、がんは抵抗性を獲得する。この抵抗性の打破に役立つと期待を集めているのが腸内細菌だ。免疫療法が奏効した人や健康な人の腸内マイクロバイオーム、つまり糞便を患者に移植したところ、一部の人では治療の効果が強化されたのだ。現在、がんとマイクロバイオームとの関係に照準を定めた複数の臨床試験で検証が進められている。
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11月号
11月号COVID-19罹患後症状と微小血栓の謎 Free access
新型コロナウイルス感染症は多くの場合、時間とともに症状が軽減していくが、疲労感や頭痛、動悸、筋肉痛などのつらい症状が続く人がいることが分かってきた。COVID-19罹患後症状、いわゆる後遺症だ。原因はまだ明らかではないが、微小な血栓が関わっている可能性が指摘され始めている。同時に、効果が証明されていない治療法に患者が飛びつくことが懸念されている。
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12月号
12月号求められる性差分析、実現への壁
研究資金配分機関や出版社は、性差が果たす役割を考慮して研究をデザインすることを研究者に求めるようになった。再現性と厳密性を向上させるだけでなく、1つの性を調べていただけでは発見できない解決策や疑問が見つかるという大きな利点があるものの、複数の性を正しいやり方で研究に組み込むのは簡単ではない。
2021
今年も、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染に歯止めがかかりません。COVID-19による死亡者数は11月に500万人を超え、患者数は延べ3億人に迫ろうとしています。ワクチン接種が進む富裕国でも、第5波により、1日の新規感染者数がこれまでの記録を塗り替える事態に。
ベータ株やデルタ株、そして現在感染が急拡大中のオミクロン株は、低所得国での感染爆発を経て生まれた変異株です。低所得国での感染を抑えなければ収束しないことは以前から分かっていました。低所得国にワクチンを配分するための世界的な合意「コバックス(COVAX)」もあります(2021年4月号「COVIDワクチンの公平な配分を成功させなければならない理由」参照)。しかし、貧困国の多くで2回接種完了率が1桁台の中、富裕国では3回目の接種が始まりました。
デマやフェイクニュースも依然、飛び交っています。こうした状況では、一人ひとりがワクチンや感染防止、収束について、確かな知識と考えを持ち、実行する必要があります。それを痛感し、役に立ちたいと思う毎日でした。2021年に小誌に掲載した新型コロナウイルス関連記事は約50本。こちら(Natureasia COVID-19特別翻訳記事サイト)でまとめてご覧いただけます。
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1月号
1月号Alexa、私、いま病気?
スマートフォンのアプリに声を聞かせるだけで、声の主がCOVID-19や認知症、うつ病などに罹患しているかどうかを知ることはできないだろうか。音声に表れる疾患特有の「マーカー」を見つけ出し、それを幅広い疾患の特定に役立てようと、実用化に向けた研究が進められている。
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2月号
2月号微生物感染がアルツハイマー病の引き金に?
微生物と認知症の発症とを結び付ける考え方は、数十年前からあったが、主流から外れるとされてきた。しかし今、研究者たちはこの関係を探り始めている。アミロイド仮説と感染症仮説を結ぶ研究結果が報告され出したからだ。
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3月号
3月号水のパラドックスと生命の起源
水は生命にとって不可欠な物質だが、生命の基礎となるタンパク質や核酸などの高分子を分解してしまう。地球で最初に生まれた細胞は、危険だが不可欠なこの物質に、どのように対処したのだろう? 人類はこの問いの答えを見つけようと、地球の表面や海底のみならず他の惑星にも赴き、探査を始めている。
翼竜類の進化的起源を示す近縁動物
恐竜類に近縁な既知最古の飛行性脊椎動物として知られる翼竜類だが、その進化的起源は2世紀にわたり謎に包まれてきた。今回、一連の化石標本の詳細な解析から、この謎に対する1つの答えが導き出された。
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4月号
4月号科学を変えた10のコンピューターコード Free access
現代の科学的発見を支えるコンピューター。プログラムとプラットフォームの進歩は、FortranやBLASTなどを誕生させ、生物学、気候科学、物理学を新たな高みへと導いてきた。Nature は今回、過去数十年の間に研究を一変させた主要なコードについて、その開発経緯と共に科学に何をもたらしたかを探った。
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5月号
5月号腸内細菌はどのように脳を変えるのか
腸脳軸や脳腸相関という言葉を耳にしたことがあるだろうか。腸内細菌が脳の神経系に影響を与え、疾患を引き起こしたり、その経過を変えたりすることが、この数年で急速に明らかになってきた。脳に作用を及ぼす細菌を突き止めるマッピング研究の功績が大きく、ここからパーキンソン病などの疾患で治療に使える可能性が浮かび上がってきた。
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6月号
6月号永久凍土に眠る炭素爆弾
北極域の永久凍土の融解が進んでいる。永久凍土は、陸域最大の炭素シンクだ。炭素源は、植物や動物の死骸だけではない。凍土の下の泥炭には未知・未培養のものも含めてさまざまな微生物が眠っていて、凍土の融解とともに活動を再開し、炭素を含んだガスを大量に放出する可能性があるのだ。
室内という、最も危険な感染ホットスポット Free access
換気が不十分だと、室内にウイルス粒子が集積して感染リスクが高まるが、「十分な換気」の基準や効果的な換気方法については、まだ明確な答えが得られていない。科学者たちは室内を安全にするために、さまざまな検討を行っている。
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7月号
7月号ヒトとネズミで発生のペースが違う理由
発生のペースが、マウスとヒトで異なるのはなぜか。そのカギを握ると見られるのが、分節時計と呼ばれる、細胞内のタイムキーパーだ。分節時計の遺伝子は1990年代にニワトリ胚で特定されたが、ヒト細胞で研究が進み出したのは2019年。驚いたことに、ヒトの分節時計は、他の動物よりも進みが遅かったのだ。
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8月号
8月号マイクロプラスチックは有害なのか?
海洋動物や私たちの体内にも見つかる微小なプラスチック片。生態系や人体にどんな影響を及ぼすのか、実は、まだ分かっていない。プラスチックは毎年約4億t生産されるが、分解されるまでには何十年もかかる。蓄積する一方の「時限爆弾」は危険なのか、リスクはそれほどないのか、研究者たちは大急ぎで調査を行っている。
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9月号
9月号古代人はいかにして数を数えられるようになったのか?
数を表すことのできる動物はヒトだけだと考えられている。では、ヒトはそれをいつから始めたのか? 記数法の発展について、現在、考古学や認知心理学などに基づきさまざまな仮説が提案されている。もしかすると、ネアンデルタール人もそれを編み出していたかもしれない。
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10月号
10月号新型コロナウイルスが細胞に侵入する仕組み Free access
感染拡大に歯止めがかからない新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)。このウイルスは、なぜ、これほどの感染力を持つのか。その理由が明らかになってきた。このウイルスは、感染細胞から出ていく際に既に、インフルエンザウイルスなどの他のエンベロープウイルスよりも一歩進んだ状態にあるのだ。
ディープマインド社のAIがヒトのほぼ全てのタンパク質の構造を予測
ニューラルネットワーク「AlphaFold」が、35万種類以上のタンパク質の構造を収録した革新的なデータベースを生成した。
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11月号
11月号mRNAワクチン完成までの長く曲がりくねった道 Free access
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のパンデミック下において、大きく飛躍したmRNAワクチン。この研究は、実は何十年も前から行われていて、数百人もの科学者によって一歩一歩積み重ねられてきた。というのも、RNAは著しく不安定で、ワクチンとして利用することは不可能だとされてきたからだ。
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12月号
12月号21世紀末の世界人口を予測する
今世紀末、地球にどれだけの人間がいるか? 複数の研究グループが、さまざまな方法で推定を行っている。国連の研究チームの予想は110億人。一方、88億人とした論文が議論を呼んでいて、LANCETに掲載されたこの論文に、人口統計学者170人が署名付きで疑問を呈した。この数字が、なぜそれほど重要なのだろう。それは、何十年も先の「将来の」人口は、各国の「現在の」政策を左右するからだ。
2020
1月号はNature 創刊150周年特集です。Nature の歩みとともに科学の進歩を追いました。「新分野を拓いたNature 論文10選」ではDNAの構造、太陽系外惑星の発見、モノクローナル抗体の作製、オゾンホールの発見など、世界に衝撃を与えた10のNature 論文を紹介しました。Nature のデザインや書体も、この機会に刷新されました。
しかし、この年の1月、重篤な肺炎を引き起こす新興感染症が中国武漢市などで報告され始めました。後にWHOがSARS-CoV-2(重症急性呼吸器症候群)と命名するウイルスによる感染症COVID-19です。このウイルスの特異な点は、その感染力の強さだけでなく、発症前であっても伝播されることと、後に分かってきました(2020年4月号「新型コロナウイルス感染が拡大しやすい理由」)。以降、COVID-19の話題が続きます。
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1月号
1月号 -
2月号
2月号 -
3月号
3月号100万年以上続いた後期三畳紀の長雨
乾燥しきった三畳紀のさなかに極めて湿潤な時期があったという説は、発表から30年を経て今ようやく受け入れられつつある。世界各地の岩石で発見されているこの長雨の痕跡は、この事象が地球上の生命の大きな転換期となり、恐竜類の隆盛にもつながったことを示唆している。
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4月号
4月号 -
5月号
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6月号
6月号中性子星の奇妙な核心に迫る
中性子星は、宇宙で最も謎めいた天体の1つだ。その核は超高密度で、直径20kmほどの球体の中に太陽2個分の質量が詰め込まれている。近年、さまざまな観測装置での研究が進み、多くの事実が明らかになろうとしている。
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7月号
7月号オピオイド危機と闘う科学者
神経科学者であるノラ・ボルコフ(Nora Volkow)は、依存症と脳の関連を示す数々の発見と共に、依存症は心の弱さではなく脳の疾患であるという考え方を浸透させたことで知られる。ロシアの革命家トロツキーの孫でもある彼女を突き動かしているのは、依存症患者が差別を受ける社会を変えたいという思いだ。
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8月号
8月号 -
9月号
9月号太陽に最も近い場所で撮影した太陽のクローズアップ写真
核融合で輝くその星は謎だらけだ。太陽圏を覆う、コロナから吹き出す太陽風。太陽表面の温度は6000度程度であるのに対し、コロナは100万度以上と推測されている。太陽観測衛星「ソーラー・オービター」が捉えた、太陽表面で躍動する多数のミニチュアのフレアは手掛かりになりそうだ。
原子レベルの分解能を達成したクライオ電子顕微鏡技術 Free access
クライオ電子顕微鏡法の解像度の向上により、タンパク質の機能をこれまでにない詳細さで調べられるようになった。
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10月号
10月号冥王星の「裏側」が見えてきた!
冥王星への驚異の接近通過を2015年に成功させた、NASAの探査機「ニューホライズンズ」。冥王星の「裏側」は低解像度でしか撮影できなかったものの、その画像の解析が進み、液体の水の兆候や、不可解な巨大な氷の刃、そして、極寒の惑星の誕生を巡る新しい理論が見えてきた。
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11月号
11月号動物は実際、何を考えているのか
神経科学者たちは、おびただしい数のデータを精査して、攻撃性や欲求などの心の状態および感情を脳が生み出す仕組みを明らかにしようとしている。
芳香環から出発しない型破りなアニリン合成法
ベンゼン環などの芳香環を含む有機化合物の合成では、既存の芳香環を構成要素として、そこから分子を組み立てることが多い。今回、芳香環を反応の過程で形成するという革新的な方法で、極めて有用なアニリン類を合成できることが示された。
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12月号
12月号遺伝子系図を使った犯罪捜査への期待と懸念
系図データベースGEDMatchを利用した捜査で凶悪犯罪が次々と解明されている。その後、プライバシーに関する懸念からDNAや系図情報を利用した捜査に議論が勃発。捜査利用には制限が課されるようになった。しかし、犯罪を減らせることへの期待から、DNAから個人を詳細に描き出す技術は次々と開発されている。
2019
2019年前半は、2018年11月に報告された「ゲノム編集ベビー」に関する議論が続き、WHOの諮問委員会は、ヒトゲノム編集に関わる研究に登録システムが必要だとする見解を示しました(6月号「遺伝子編集ベビー問題に本腰を入れるWHO」)。また、フィリピンのルソン島で未知の人類が発見されたことも話題になりました(6月号「フィリピンの洞窟で発見された未知のヒト属」)。グレタ・トゥーンベリさんが地球温暖化対策を大人にもとめて「学校ストライキ」を始めたのもこの頃です(6月号「地球温暖化対策を訴える「学校ストライキ」を科学者らが支持」)
また、Nature は2019年11月に創刊から150年を迎えました(特設サイトはこちら)。それに合わせて小誌でも5月号から、Natureが力を入れてきた科学の発信と議論の促進、若手研究者の支援、Natureの役割について、特別記事を毎月用意いたしました(ネイチャー・ジャパンの特設サイトはこちら)。
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1月号
1月号数の力で健康リスクを予測
ヒトゲノムの構成に基づく健康予測は大きく前進している。しかし、こうした予測の指標の1つとして使われ始めた多遺伝子性リスクスコアについては、まだ大いに議論の余地がある。
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2月号
2月号生命を1から組み立てる
細胞をボトムアップ式に作り上げる過程で生命と非生命の境界が見えてくるに違いない――人工細胞、つまり外部と自身を区画化する膜を持ち、増殖し、進化する系を作ろうという試みは、20年以上前に始まった。この分野はマイクロ流体技術の進歩で急速に発展していて、細胞様の物体を作ることや、簡単な人工の代謝系を構築することにも成功している。
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3月号
3月号惑星形成理論の最前線
ガスと塵に包まれたままの、生まれたばかりの惑星を捉えた画像が、従来の惑星形成理論に異議を申し立てている。
アドレナリンがサイトカインストームを促進する
抗腫瘍免疫応答を増強する治療では、サイトカインストームと呼ばれる有害な炎症応答が引き起こされることがある。今回、こうした有害な応答を防ぐのに役立つ可能性がある新しい知見が得られた。
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4月号
4月号周期表の発展を支えた女性科学者たちの物語
新元素の発見から既知元素の特性評価まで、周期表を形作る上で重要な役割を果たしてきた女性科学者たちに、化学史学者のBrigitte Van TiggelenとAnnette Lykknesが光を当てる。
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5月号
5月号フッ素化合物を追跡する
水も油もはじく有機フッ素化合物は、焦げ付かないフライパンからレインコート、消火剤まで、私たちの生活で大活躍だ。一方で、健康問題との関連が明らかになった一部は、国際的に使用が禁止されたり、曝露限界値が設けられたりした。その便利さ故、代替のフッ素化合物が続々と開発され、環境中に放出されているが、それらの構造は不明で、安全性評価は難航している。
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6月号
6月号 -
7月号
7月号 -
8月号
8月号系統樹を揺さぶるトリックスター
アーキアと呼ばれる微生物群の一部には、北欧神話に出てくるロキなどの神にちなんだ名前が付けられている。この仲間は謎が多く、ヒトなど複雑な生物の起源を巡る論争の火種にもなっている。
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9月号
9月号 -
10月号
10月号深海底鉱物資源開発のジレンマ
深海底に眠る鉱物資源の開発はそれらの供給不足を解決するものとして 大いに期待されているが、一方で、人間の活動域から遠く離れた生態系で大規模な絶滅を引き起こす恐れもある。
6人プレイのポーカーでAIがプロに勝利
中国と米国の研究チームがそれぞれ、16本ある酵母の染色体を再編成して、1本ないし2本まで融合することに成功した。意外なことに、こうした酵母の見た目や増殖には異常が見られなかった。
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11月号
11月号結晶作りの2人の巨匠
物質・材料研究機構の谷口尚と渡邊賢司が作り出す、極めて高品質の六方晶窒化ホウ素結晶が、近年目覚ましい発展を遂げているグラフェンのエレクトロニクス研究を支えている。
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12月号
12月号
2018
2018年は、ゲノム編集が1塩基レベルで可能になったという報告(1月号)があった一方で、11月には重大な倫理違反があり、世界に衝撃が走りました。忠実度に課題があるCRISPR-Cas9系(9月号)が臨床に用いられたことも問題ですが、子々孫々と受け継がれる生殖細胞系列の遺伝子が編集されたヒトが、監視の目をすり抜け誕生してしまったのです。現在、関連学会が新制度の設立に向け動いています。
2018年11月に国際単位系の改定案が承認され、2019年5月から、秒やm、kgなどの多くの単位の定義が変わることも、見逃せません(1月号)。「好き過ぎてつらい博士課程」(3月号)では、博士課程学生が研究生活に満足しつつも不安を抱え苦しんでいることが分かり、教育機関の課題が浮き彫りになりました。新コンテンツ「学術界サバイバル術入門」の連載も始めました。Nature Research Academiesの講師ジェフリー・ローベンズが、学術出版の重要性や効果的な出版方法などを伝授します。
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1月号
1月号AI時代の仕事と雇用
ロボット工学やクラウド・コンピューティング、モバイル技術などのデジタル技術は、この10年で著しく進歩した。特に、人工知能(AI)と呼ばれる機械学習システムの進歩は、世界の労働者のあり方に革命をもたらすといわれる。AIは、良きパートナーとなるのか、人間の雇用を奪うのか?
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2月号
2月号ヒト遺伝子のヒット・ランキング
ヒト遺伝子2万7000個のうち「最もよく研究されている遺伝子」のランキングから、分子生物学の黎明期からその変遷、注目される遺伝子の特徴が浮かび上がってきた。
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3月号
3月号好き過ぎてつらい博士課程 Free access
博士課程学生を対象とするアンケート調査から、不確実な未来への不安や、指導教員への不満が強い一方で、博士課程全般に対する満足度は高く、研究者としての就職を望んでいることが分かった。
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4月号
4月号 -
5月号
5月号若者の危険行動を科学する
青年期の危険行動は単に反抗心から生じるものではないようだ。神経科学による取り組みから、若者の危険行動には、彼らを取り巻く濃密で繊細な人間関係が関わっていることが明らかになってきた。
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6月号
6月号細胞内の「相分離」に注目
工学や化学、物理学の分野では基本的な概念である「相分離」が細胞内で観察されて10年。細胞が内部を浮遊する分子をどのように分離・分配しているかを説明できる可能性があるとして現在注目を集めている。
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7月号
7月号 -
8月号
8月号気付いてないのはPIだけ? Free access
研究室の文化がその健全性にどう影響しているかを独自に調査した結果、研究室の主宰者(PI)と他のメンバーとの認識の隔たりや、PIの指導力に対する不満が見えてきた。多くのPIが、管理や指導などのリーダーシップに関する訓練を受けないままその地位に就くからだ。
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9月号
9月号AIに公正な判断はできるか?
公的機関で導入が進むAI。だが、AIは人が入力した過去のデータを基に予測する。つまり入力データやアルゴリズムにバイアスが存在すれば、不公正な判定につながったり、既存の不公平を強固にしたりする可能性がある。公正かつ透明性が確保されたツールは実現できるだろうか。
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10月号
10月号「ヒト胚の育成」入門編
ヒト初期発生は、動物や希少な組織試料を参考に推し量るしかない状況が数十年と続いていた。だが、ヒト受精卵を研究室で13日を超えて培養できる手法が開発され、神経系の発生が開始する14日目以降をどうすべきか議論が始まっている。
出芽酵母の16本の染色体をつなげて1本に
中国と米国の研究チームがそれぞれ、16本ある酵母の染色体を再編成して、1本ないし2本まで融合することに成功した。意外なことに、こうした酵母の見た目や増殖には異常が見られなかった。
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11月号
11月号感染したインフルエンザの亡霊
さまざまな亜型が出現するインフルエンザのうち、どの亜型に感染しやすいかは、その人の出生年に流行していた亜型がカギを握っているようだ。免疫学的刷り込みと呼ばれるこの現象を解明すれば、インフルエンザの万能ワクチン開発に利用できる可能性がある。
石油流出事故の大半に人的ミス Free access
タンカーの運行や事故に関する記録は、本質的な理解を妨げる内容であることが多く、これが研究や法律にゆがみを生じさせている。今後優先的に進めるべき研究を3つ提案する。
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12月号
12月号発見されたガリレオの手紙から新事実
1回目の異端審問で証拠とされたガリレオの手紙には版が2つある。ガリレオは、主張の柔らかい方が原本で、裁判所には手が加えられたものが送られたと周囲に話していたが、事実は異なるようだ。
2017
2017年は革新的な報告に富んだ1年でした。人工知能(AI)研究では、アルゴリズムを訓練することで皮膚がんを専門医と同程度の精度で識別できること(5月号)や、人間からの情報提供なしに囲碁を独習できるAI(12月号)が報告されました。また、重力波検出にノーベル物理学賞が贈られると発表された10月、中性子星の合体を重力波と可視光で観測したことが報告され、天体現象を多角的に調べる「マルチメッセンジャー天文学」の幕開けとして世界中が沸きました(12月号)。一方で、科学軽視の政権に混乱する米国、科学研究の根本を揺るがす偽造試薬や論文捏造などの問題の対処に追われる中国(8月号、9月号)、科学における国際的競争力の低下が浮かび上がった日本(11月号)など、各国の科学政策に厳しい目が注がれた1年でもありました。
なお小誌は10月号から、新セクション「TOOLBOX」の掲載を開始しました。研究者のための便利ツールを紹介してまいります。
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1月号
1月号「致死的変異」の正体を見極める
6万人以上のタンパク質コード領域(エキソーム)の塩基配列データベース「ExAC」とその解析結果が報告された。ExACは無料で利用できることから、臨床検査室では患者の治療方針を検討する際にまずExACを当たるようになってきている。
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2月号
2月号 -
3月号
3月号 -
4月号
4月号 -
5月号
5月号ホットでクールな太陽熱冷房
大量のエネルギーを消費するエアコン。この需要が高まっている今、一部の人々は、暑さの原因である太陽熱に問題解決のカギがあると考えている。
恐竜系統樹の枝ぶりが変わる? Free access
74の分類群に属する多様な恐竜について、骨の解剖学的特徴を細かく調べた研究から、主要な系統群の間に新たな類縁関係が浮かび上がった。恐竜の分類に関する長年の定説を根本から覆す今回の新説で、「教科書の書き換え」が必要になるかもしれない。
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6月号
6月号 -
7月号
7月号ループ形成の謎に挑む研究者たち
DNAはなぜ絡まずに収納されるのか。これはゲノム高次構造に関する最も悩ましい問題の1つだが、「ループ状ドメイン」の形成がその1つの答えとなりそうだ。ただし、ループ形成を推し進めているものの正体については見解が分かれている。
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8月号
8月号 -
9月号
9月号研究助成金獲得の秘訣
Nature は米国立衛生研究所(NIH)の助成金交付データと獲得熟練者の話をもとに、助成金獲得に有効な戦略や、よくある助言のうち無視すべきものを探った。このたびの調査結果は、世界中のどの助成金申請にも当てはまり、特に若手研究者やキャリア初期の研究者にとって役立つはずだ。
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10月号
10月号細胞に魅せられた科学者
塩基配列解読技術の進歩によって微量なRNAも解析できるようになり、細胞集団を単一細胞レベルで調べることが可能になった。この分野を切り開き、現在ヒト細胞アトラスを主導するAviv Regev氏の素顔に迫る。
トポロジカル物質の未来
ごくありふれた物質の中に、奇妙なトポロジー効果が隠れているかもしれない。こうした効果を見つけることで、新粒子の発見や超高速トランジスターの実現、ひいては量子コンピューティングの開発に弾みをつける可能性がある。
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11月号
11月号 -
12月号
12月号細胞をつなぐナノチューブ
1999年に報告された、細胞から細く長く伸びるワイヤー状の管。これまで評価されていなかったこの細胞間連絡は、がん細胞や細菌にも利用され、それらが広がるのを助けている可能性が出てきた。
2016
2015年初夏に熱帯太平洋に出現したエルニーニョ現象は、2016年春には終息したものの、観測史上最強規模にまで発達し、スーパーエルニーニョやゴジラ・エルニーニョと呼ばれました。また、iPS細胞は、その樹立報告からちょうど10年という節目の年を迎えました。iPS細胞の出現により世界がどう変わったのか、「iPS細胞の10年」で振り返っています。10月3日には、オートファジー研究の開拓者、大隅良典氏のノーベル医学・生理学賞単独受賞が発表され、日本中が喜びにわきました。大隅氏は会見で、「役に立つ」という観点で科学を捉える現在の社会に危機感を抱いていると語り、基礎研究の大切さを訴えたことが話題となりました。
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1月号
1月号炭素を大気から取り出す技術が事業化目前
大気中の二酸化炭素を直接捕捉して資源として再利用することは不可能ではないが、事業化はコスト面から困難だとみられていた。このほど2つの企業が、炭素捕捉・再生を行うプラントの拡大と改良を発表した。
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2月号
2月号遺伝子ドライブでマラリアと闘う
マラリア原虫に対する耐性遺伝子を持つ蚊をマラリアに苦しむ地域に迅速に広めることができれば、この感染症を永久に根絶できる可能性がある。このほど、遺伝子ドライブでそれが実現でき得ることが示された。
酸化ストレスはがんの遠隔転移を抑制する
活性酸素は、細胞にストレスを与え、がんのイニシエーション(発がんの第一段階)を促進すると考えられてきたが、今回、がんの転移を防ぐという有益な作用も持っていることが明らかになった。
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3月号
3月号 -
4月号
4月号品質保証ブームを巻き起こせ!
ラボでの日々の実験に「品質保証」を取り入れてほしい。お金と時間を費やしてでも積極的に取り組む価値がある。それを知ってもらおうと奮闘している研究者がいる。
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5月号
5月号 -
6月号
6月号 -
7月号
7月号 -
8月号
8月号 -
9月号
9月号iPS細胞の10年
人工多能性幹(iPS)細胞は、医療革命の訪れを告げる使者だと考えられた。しかしその発見から10年経った現在、iPS細胞はむしろ生物学の研究を大きく変えるツールとなりつつある。
琥珀に恐竜時代の鳥類の翼
白亜紀の幼鳥の翼が、琥珀の小片の中からありのままの姿で発見された。その特徴の数々は、この原始的な鳥類が、現生鳥類とさほど変わらぬ翼を持っていたことを物語っている。
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10月号
10月号「温故知新」で医薬品開発
創薬コストの高騰を受け、既存の承認薬や開発が途中で中止になった化合物を対象に、新たな適応疾患を探し出して製品化する「ドラッグ・リポジショニング」と呼ばれる取り組みが盛んになっている。
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11月号
11月号 -
12月号
12月号
2015
社会を大きく変え得る技術がいくつも登場し、議論が巻き起こった1年でした。その1つが、医療用麻薬モルヒネをその前駆物質まで生合成できる酵母です。医療現場では需要が高まっており、安価に供給可能になるという利点がある一方で、違法薬物をフラスコ1つで大量生産できることから、デュアルユース技術の悪用をどのように防ぐかが問題です。もう1つは、ゲノム編集がヒト胚で実施されたことです。生殖細胞で実施すれば後世に影響を及ぼすにもかかわらず、法整備が追い付いていない現状が浮き彫りになりました。嬉しいニュースもありました。オンコセルカ症治療薬となった抗生物質を産生する細菌を発見した大村智氏にノーベル医学生理学賞が、ニュートリノ振動を見出した梶田隆章氏にノーベル物理学賞が贈られました。
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1月号
1月号 -
2月号
2月号 -
3月号
3月号 -
4月号
4月号アルカリ金属の爆発の秘密が明らかに Free access
アルカリ金属を水に入れると派手に爆発する。化学の授業でおなじみのこの実験の反応機構が、実は長く誤解されてきたことが、ハイスピードカメラを使った研究で判明した。
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5月号
5月号知覚情報をもとに自ら学習する人工知能
コンピューターゲームのプレイ方法を、深層学習と強化学習によって自ら学習する人工知能が開発された。この人工知能は、古典的な49種類のコンピューターゲームのうち29種類でプロのゲーマーと同等以上の成績を収め、人工知能がさまざまなタスクに適応可能なことを実証した。
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6月号
6月号ヒトの生殖系列のゲノムを編集すべきでない Free access
ヒトで世代を超えて伝わるような遺伝的改変は重大なリスクをもたらす一方で、その治療的利益はほんのわずかだとして、研究者らが警鐘を鳴らしている。
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7月号
7月号細胞が重力でつぶれない仕組みを発見
体が扁平になる奇妙なメダカの変異体が発見された。どうして扁平になるのか — 10年余りにわたる探索の結果、ようやくその謎が解かれた。普通のメダカの細胞には、重力に押しつぶされないような仕組みが働いていたのだ。その仕組みが存在しなかったら、ヒトはもちろん地球上の生物の大部分は、今の形をしていなかったかもしれない。
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8月号
8月号 -
9月号
9月号オキシトシンの基礎研究は始まったばかり
オキシトシンが脳に与える影響は複雑なものであることが、この数年で明らかになってきた。その結果、この物質を単なる「抱擁ホルモン」とする見方を一刻も早く改めるべきだという考え方が研究者の間で広がりつつある。
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10月号
10月号オルガノイドの興隆
臓器に似た立体構造体「オルガノイド」を作る研究が熱を帯びている。培養皿の中にシグナル分子を投入するだけで、細胞が自分で組織を形作るのだ。こうしてできたミニ臓器は、単一細胞の分析よりも多くの情報をもたらす場合があるだけでなく、薬の効果や副作用を調べるのにも役立つことが分かってきた。
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11月号
11月号硫化水素が最高温度で超伝導に
ごくありふれた物質が、これまでで最も高い温度で超伝導状態になることが分かった。最高温度の更新は21年ぶりで、この意外な実験結果に今、追試や理論研究が次々と行われている。
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12月号
12月号分子マシンの時代がやってきた
化学者たちは、生物から着想を得て、スイッチやモーター、ラチェットとして機能するさまざまな分子部品を創り出してきた。そして近年、これらの微細な部品を使ったナノスケールの機械が続々と発表されている。
2014
2014年は「世界結晶年」。国連が定めた国際年の1つで、産業の発展を支えてきた結晶学を広く伝え、再確認することを目的として制定されました。4月号では結晶学の歴史と、X線回折現象を発見したラウエの功績について特集しています。そして、青色LEDの発明と実用化に貢献した3氏(赤﨑勇・名城大学教授、天野浩・名古屋大学教授、中村修二・カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授)にノーベル物理学賞が贈られました。地球温暖化による影響が次々と報告される昨今、スウェーデン王立アカデミーは「21世紀はLEDによって照らされる」と賞賛したことが印象深かったです。また、iPS細胞を使った臨床試験が世界に先駆けて日本で行われ、世界中から大きな注目を集めました。
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1月号
1月号脳科学で心が丸はだか?
脳活動のパターンをスキャン装置で捉え、その情報を解読することで、その人の考えや見た夢、さらには次に何をしようとしているかまで、読み取れるようになるかもしれない。
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2月号
2月号東北地方太平洋沖地震を引き起こした断層の性質が明らかに Free access
11年の東北地方太平洋沖地震における地震規模と津波の背景に、薄くてもろい粘土層の存在があったことが、震源海域での掘削により明らかになった。
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3月号
3月号医療用アイソトープが不足する!
世界の原子炉の老朽化により、近い将来、医療用アイソトープは深刻な供給不足に陥ると考えられている。それに備え、原子炉を使わない医療用アイソトープ製造法を模索している革新的な企業がある。
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4月号
4月号微小世界の謎を解く–結晶構造解析100年の歩み–
アドイツの科学者マックス・フォン・ラウエは、結晶によるX線の回折現象を発見し、1914年にノーベル物理学賞を受賞した。現在では、X線回折を利用して、単純な鉱物からグラフェンなどのハイテク材料、ウイルスなどの複雑な生物構造体に至るまで、さまざまな物質の構造が解明されている。
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5月号
5月号様変わりする世界の霊長類研究
欧州の研究者は、動物保護活動家による激しい攻撃から霊長類研究を守るための政治的勝利をようやく勝ち取った。だが、一部の地域では、それが骨抜きにされようとしている。
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6月号
6月号 -
7月号
7月号長い低迷期を抜けた免疫療法
免疫系はがんと闘うための強力な武器となり得る。これを利用する免疫療法の世界に「免疫チェックポイント阻害剤」という新機軸が登場したことで、免疫療法が盛り返してきた。
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8月号
8月号天然痘の監視は終わらない
史上最大級の恐ろしい疫病の名残が、冷凍のミイラや、手紙に同封されたかさぶたに含まれているかもしれない。この感染症がゾンビのように蘇ったとき、私たちは十分に対処できるのだろうか。
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9月号
9月号 -
10月号
10月号 -
11月号
11月号 -
12月号
12月号
2013
2013年、脳機能解明を目指す巨大プロジェクトを、欧州委員会と米国がそれぞれ立ち上げました。欧州委員会が1月に発表した「ヒト脳プロジェクト」では、脳をコンピューター上でシミュレーションすることを目指しているのに対し、米国が4月に発表した「BRAINイニシアチブ」は、神経回路のニューロン1つ1つの活動に基づいた脳地図を作成し、脳がヒトの行動をどのように制御しているかを明らかにすることを目指しています。2013年9月には、ボイジャー1号がすでに太陽圏(太陽磁気圏)を出て、人類未踏の地である星間空間に到達していたことが報告されました。また、ユーリ・ミルラー氏をはじめとする大富豪たちが出資する「ブレイクスルー賞」が創設されたのもこの年です。
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1月号
1月号ミトコンドリア病を予防する核の入れ替え技術
異常のあるミトコンドリアを持った卵(らん)から核を取り出し、正常なミトコンドリアを持った卵に移し替える技術は、サルにおいて確立されていたが、ヒトでも適応可能であることが示された。この技術により、ヒトのミトコンドリア病と呼ばれる遺伝性難病のリスクを低減できる。
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2月号
2月号 -
3月号
3月号 -
4月号
4月号人間は、儀式をするサルである
人間集団には、祈り、戦い、踊り、詠唱などの儀式がある。 そして、その儀式の違いが、過激な集団と平穏な集団の違いを生んでいるらしい。 儀式はまた、文明の誕生とも深く関係する。
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5月号
5月号環境にやさしいセメント
古代ローマの時代から現代の建築構造物に至るまで、 セメントは人類文明に不可欠な建築資材としてあり続けてきた。 しかし、セメントの製造では大量の温室効果ガスが排出されてしまう。 それを削減するには、この複雑な材料を徹底的に理解する必要がある。
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6月号
6月号 -
7月号
7月号精神障害はひとつながり
これまで病態に応じて区切られ分類されていた精神障害が、実は1つのスペクトラム、つまり、さまざまな病態が連なった1本の軸として表せることが、近年の研究によって示唆されている。 しかし、精神障害診断の最新の改訂版DSM-5では、その採用は時期尚早として見送られた。
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8月号
8月号遺伝子組換え作物の真実
遺伝子組換え作物の導入により、スーパー雑草は本当に誕生したのか?インドの農民は自殺へと追いやられているのか?導入遺伝子は野生種にまで広まっているのか?遺伝子組換え作物をめぐるこれら3つの疑惑に対して、その真偽を検証する。
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9月号
9月号21世紀のノーベル賞?
このところ、ノーベル賞より高い賞金の科学賞が相次いで新設されている。一晩で億万長者になる科学者が出るのは結構なことだが、一握りの研究者に巨額の賞金を授与しても、その研究分野が本当に活性化するかどうかはわからない。
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10月号
10月号 -
11月号
11月号 -
12月号
12月号自家製ソフトウエアの誤りを、誰がチェックする?
科学の世界では、研究や解析のために、多くの自家製ソフトウエアが作られている。しかし、それが本当に正しいのかどうか、査読の手続きさえ存在していない。
2012
Nature で東日本大震災に関する特別編集記事が組まれたことから、Nature ダイジェスト 初の別冊「震災復興特集号」を発行しました。Nature の視点からみた東日本大震災ということで、国内のニュースとは少し違った視点で記事が書かれています。その他、論文の詳細を公開すべき否かで長らく議論のあった、ヒト-ヒト間で伝搬するH5N1鳥インフルエンザウイルスに関する報告や、山中伸弥先生のノーベル賞授賞、ヒッグス粒子の発見、NASAの火星探査ローバーが無事に火星に到着したことなど、興味深い科学ニュースが盛りだくさんです。
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4月号
4月号 -
5月号
5月号 -
6月号
6月号 -
7月号
7月号哺乳類間で感染する鳥インフルエンザウイルス
鳥インフルエンザH5N1ウイルス由来の赤血球凝集素(HA)タンパク質をもとに、遺伝子改変インフルエンザウイルスが作成され、わずか4つの変異によってフェレット間で伝播するように変わることが明らかになった。このことは、ヒトでのパンデミックが鳥から生じる可能性を強く示唆している。
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9月号
9月号ヒッグス粒子の発見と今後 Free access
ヒッグス粒子がとうとう発見された。しかし、この粒子のスピンの値を確定したり、約125GeVという質量と整合性のある理論を導いたり、解決しなければならない課題は山積みとなっている。
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10月号
10月号火星探査ローバー「キュリオシティー」が無事に着陸!
2012年8月6日、火星探査ローバー「キュリオシティー」は、複雑な降下過程を完璧にこなして火星のゲール・クレーターに着陸した。科学チームは、まずはローバーをどちらの方向に動かすべきか、検討を始めている。
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11月号
11月号 -
12月号
12月号
2011
2011年3月11日に発生したM9.0の巨大地震。この規模の地震が三陸沖で起こり、巨大津波が沿岸を襲うことは、全くの想定外でした。Nature ダイジェスト ではこの年、地震や福島第一原子力発電所事故関連の記事を多く取り上げています。この年、沖縄科学技術大学院大学(OIST)本格始動しました。多くの優秀な研究者が集まっており、学際的研究を推進する旗手として期待がかかっています。なお、1月号から3号にわたって掲載した「フランシス・クリックの手紙」は、『二重らせんの物語』について、その当時のようすが鮮明に描かれており、ご好評をいただきました。興味のある方はぜひご覧ください。
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1月号
1月号フランシス・クリックの手紙(上)
DNAの二重らせんモデルで名高い、フランシス・クリック。彼がワトソンと共に、このモデルを構築するまでの経緯については、既に多くの書籍が出版されている。このほど、そうした経緯を新たに彩るクリックの書簡が発見された。そこからは、『二重らせんの物語』に秘められた登場人物たちの個性と緊迫した微妙な人間関係が、鮮明に浮かび上がってくる。Nature ダイジェスト では、今回初公開となるこれらの書簡について、3号にわたって掲載する。
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2月号
2月号 -
3月号
3月号 -
4月号
4月号Twitterによる審判
発表された論文が、わずか数日で、ほかの研究者のブログやツイッター上で激しく批判されるケースが増えている。研究者らは、こうした批判にどのように対応するべきか、戸惑いを感じている。
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6月号
6月号培養下で哺乳類の精子形成に成功
未成熟なマウスの精巣組織を培養して、成熟精子の形成に成功した。
揺りかごから墓場まで―英国コホート研究
1946年3月。まだ寒さの残る英国で、ある1週間に生まれた赤ちゃん数千人の追跡調査が開始された。そして2011年、赤ちゃんたちは65歳の誕生日を迎えた。これほど大規模なコホート調査(同一集団統計調査)は類を見ず、その科学的価値は計り知れない。
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7月号
7月号 -
9月号
9月号いざ、沖縄へ! Free access
沖縄は、自由な研究で、日本の学際的研究を推進する旗手となる。
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10月号
10月号東北地方太平洋沖地震の真相
3.11東北地方太平洋沖地震の観測データは異例なほどよくそろっているため、早くも、地震前、地震時、地震後の地殻変動の詳細が明らかになってきた。その一方で、地震と津波の危険を評価するためのモデルは、完成にはほど遠い水準にある。
2010
Nature ダイジェスト は、2010年4・5月合併号から書店販売を開始しました。デザインもリニューアルし、新たな科学ニュースマガジンとして生まれ変わりました。特に、世界の中で存在感を高める日本の科学や技術、また科学政策に対して、「世界がどう見ているか」を意識しながら記事選択をするよう心がけています。また、6月号の『「脳トレ」を検証する』など、一般の方々にも馴染みやすく、面白く読んでいただけるようなNews記事も取り上げるようにしています。この年は、「はやぶさ」の帰還に日本中が湧きました。2003年に打ち上げられた「はやぶさ」がさまざまな困難にも負けず、はるか離れた小惑星「イトカワ」からサンプル採取に成功して持ち帰ったことに、多くの方が感動したことと思います。
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1月号
1月号新型インフルエンザウイルスに関する3つの重大課題
H1N1新型インフルエンザの世界的大流行(パンデミック)に対して全世界が緊急体制をとっている今、研究者たちも、このウイルスに関する差し迫った問題に答えを出そうと努力している。米国の疾病管理予防センター(CDC)の病理学者たちは、新型インフルエンザウイルスが死をもたらす仕組みを調べている。ニューヨークのある研究室では、感染が広まる仕組みを調べている。フランスのあるバイオセーフティーレベル4(BSL-4)施設では、新型インフルエンザウイルスがH5N1鳥インフルエンザウイルスと遺伝子再集合を起こす可能性を調べている。
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2月号
2月号 -
3月号
3月号 -
6月号
6月号「脳トレ」を検証する
パソコンを使った「脳トレ」で知的能力は向上しないという研究成果が発表された。
DNA鑑定の落とし穴
DNA鑑定は科学捜査における究極の判定材料だと考えられている。しかし、犯罪現場に残された極めて微量のDNAを同定することに対して、疑問が投げかけられている。DNA鑑定はどこまで信頼性があるのだろうか。
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8月号
8月号 -
12月号
12月号ノーベル化学賞に巧妙なカップリング触媒
医薬品製造によく使われるパラジウム系化合物を触媒とする 有機合成反応を開発した3人の化学者に、栄誉が授けられた。
未来のリーダーを育てる10週間
世界中から選ばれた優秀な学生たちに未来学の思想を教え、世界をリードする人材を育てようとするサマースクールがアメリカ西海岸にある。大胆な主張と、優れた頭脳と、ハイテク装置が出会い、独特の高揚した雰囲気が生まれている。
2009
この年は、気候変動やクリーンエネルギーに関する記事を多く取り上げています。これは、2008年の洞爺湖サミットでの環境・気候変動が主要テーマであり、関連の研究分野が活性化したことによるものです。その他、特殊なライトを当てると毛根、皮膚、血液が緑色に光るサルの画像や映像を覚えている方もいらっしゃるかもしれません。日本の研究チームが、トランスジェニック霊長類の作製に世界で初めて成功したのです。また、中国の研究チームが、iPS細胞からマウスの個体を作製することに成功したのもこの年のことです。
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3月号
3月号次世代望遠鏡が約束する新しい眺め
1609年、イタリアの科学者ガリレオ・ガリレイは手製の望遠鏡で月を見上げた。そのちょうど400年後にあたる今年は、世界天文年である。今後40年間は、既存のどの望遠鏡をもはるかにしのぐ性能を備えた次世代望遠鏡が続々と建設されてくるだろう。Jeff Kanipeがそのうちの4基を紹介する。イラストはLynette Cookによる。
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4月号
4月号 -
6月号
6月号ジョン・マドックス(1925~2009)
2009年4月12日に死去したジョン・マドックスは、1966~73年と1980~95年に Nature の編集長を務めた。それまで科学研究の評価の点でもジャーナリスティックな報道活動の点でも、仲間意識や素人くささが抜けなかった Nature は、彼が編集長に就任したことをきっかけにして、挑発的で専門的な学術誌へと大きく変貌した。
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7月号
7月号100歳を迎えたレビ-モンタルチーニ女史
リータ・レビ–モンタルチーニは、間違いなく、20世紀を代表する科学者の一人だ。あえて女性科学者と強調する必要もない。1950年代に彼女が格闘した神経成長因子(NGF)の発見と単離によって、その後の生命科学は、大きな新しい道が開かれた。神経細胞は成長して複雑なネットワークが形成されていくが、「なぜ、どのように?」という根本的な問いかけが、彼女の仕事から始まったのだ。共同研究者S.コーエンとの成果がいかに偉大であったかは、今日隆盛をきわめる脳科学・神経科学が明快に物語っている。いわゆる成長因子はその後、さまざまなものが発見され、それらの受容体も含めて、精妙な細胞間の相互作用の仕組みが解明されつづけている。2人は1986年にノーベル医学生理学賞を受賞した。2009年4月22日に100歳の誕生日を迎えたリータ。戦前に女性が学問の道に進むこと、ムッソリーニの時代にユダヤ人として過ごすこと、アメリカで厳しい研究競争に打ち勝つこと、いずれも想像を超える苦闘があったはずだ。そしていま、イタリアの“国の宝”として尊敬を集め、上院終身議員の地位にある。100歳を超えて現役をつづける彼女の生き方は、私たちに限りない希望と勇気と教訓を与えてくれる。(編集部)
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8月号
8月号トランスジェニック霊長類の誕生
世界で初めて、導入された外来遺伝子を子孫に継承できる遺伝子改変(トランスジェニック)ザルが作り出された。この成果は、これまで限界があったトランスジェニックマウスを用いたヒト疾患治療の研究にとって大きな一歩となるだろう。
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9月号
9月号新型インフルエンザウイルスは1918年流行のものと似ている?
インフルエンザの世界的大流行に1度遭遇すると、その後の大流行に対する防御力が得られるのかもしれない。
読み書きからナノファブリケーションまで
2009年4月に開校した新設高等学校、横浜市立サイエンスフロンティア高等学校には、電子顕微鏡やDNAシーケンサーから天体観測ドームまで備わっている。これほど科学設備の整った高校はほかに類がない。ここから未来の科学者が巣立っていくことが期待される。David Cyranoski が取材報告する。
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10月号
10月号 -
11月号
11月号バージェス頁岩発見の歴史
Charles Doolittle Walcottがカナダ・ブリティッシュコロンビア州のロッキー山脈で大量のカンブリア化石を発見してから、今年で100年。その化石が分類されるまでの多難な道のりを、Desmond Collinsが振り返る。
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12月号
12月号顎のない口から顎のある口へ
ヌタウナギ類とヤツメウナギ類は、顎のない魚-無顎類として、現在まで生き残っているただ2つの分類群である。これらは、進化の謎の1つを解くカギとなるかもしれない。
2008
2008年から、より内容を充実させるべく、これまで28ページだったページ数を36ページへと増やしました。この年は、日本人4人がノーベル賞を授賞するという快挙でした。下村脩先生が「緑色蛍光タンパク質(GFP)の発見と開発」によりノーベル化学賞を、南部陽一郎先生が「素粒子物理学と核物理学における自発的対称性の破れの発見」、小林誠先生、益川敏英先生が「クォークが自然界に少なくとも三世代以上あることを予言する、対称性の破れの起源の発見」により、ノーベル物理学賞を受賞しました。授賞は3人までと決められており、そのすべてを日本人研究者が独占したのは、これが初めてのことでした。なお、2012年にヒッグス粒子の発見という成果を挙げたCERNの「大型ハドロン衝突型加速器」が初稼動したのはこの年のことです。
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1月号
1月号自然免疫研究をリードする静かなる日本人
ノックアウトマウスの「生産工場」を擁する審良静男は、鋭い洞察力と静かな物腰で、世界の免疫学研究をリードしている。日本における最高レベルの研究センターを構築中であり、今、世界で最も論文が引用されている研究者を、David Cyranoskiが訪ねた。
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2月号
2月号過剰気味なポスドクの進む道
ポスドク(博士号取得後の任期付き職)が数千人単位で増え、研究者の余剰という問題に取り組む日本の現状を、Heidi Ledfordが報告する。
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3月号
3月号大陸棚の延長をめぐる攻防
海底をめぐる国家間の争いが激しくなってきた。国連海洋法条約に基づく大陸棚の延長の申請期限が迫っている各国は、その根拠として提出するための情報の収集を急いでいる。大陸棚の延長が認められれば、その部分の海底の天然資源を調査し、開発する権利が得られるからである。地質学者や地球物理学者も、この熱狂に巻き込まれている。Daniel Cressey記者が報告する。
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4月号
4月号 -
6月号
6月号金融トレーダーの男性ホルモン値が景気を左右する?
ホルモン値の変動が金融市場での成功に影響しているのかもしれない。
iPS研究に参入するための基礎知識5か条
人工多能性幹細胞は胚性幹細胞と瓜二つであるが、作製が容易で倫理上の大きな問題もない。この急激に進展している分野に関して「真」と「偽」を、David Cyranoskiが切り分ける。
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9月号
9月号 -
10月号
10月号二酸化炭素排出ゼロの発電所 - PART1
現在、全世界の1年間の発電量は1万8000テラワット時に達しており、人類が消費する総エネルギーの40%近くを占めている。発電の過程で排出される二酸化炭素の量は、毎年、10ギガトン以上に上り、化石燃料に由来する二酸化炭素のセクター別排出量の中で最も多い。しかし、二酸化炭素の正味の排出量がゼロになるような発電技術は既に存在しており、太陽光発電や風力発電から原子力発電や地熱発電まで、多岐にわたる。
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12月号
12月号共同研究におけるチーム作りのコツ
成功する共同研究チームはどこが違うのだろうか?巨大なオンラインデータベースとネットワーク分析を使って、共同研究を成功に導くチーム作りのルールを見いだそうとする研究をJohn Whitfield記者が取材した。
2007
今ではすっかり「エコ」な方向に進んでいるF1ですが、2007年8月号の「環境にやさしいF1」の記事を読んでも、この頃から「エコ化」が論じられていることがよくわかります。そして、フジテレビ系の「発掘!あるある大辞典」の納豆ダイエットに関する捏造問題については多くの方の記憶に残っているのではないでしょうか。Nature Digest でもこの問題について取り上げました。そして、日本の叡智を結集した地球深部探査船「ちきゅう」が、初の調査に出たのがこの年です。今では東日本大震災の震源地や南海トラフの調査、海底資源の試掘調査などに大活躍です。なお、2007年、2008年には、スーパーサイエンスハイスクールに関する特集も組まれています。
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1月号
1月号ただのゴミだと思ったら・・・
埋め立て地がゴミであふれるころ、政府には新しいゴミ処理方法が必要になる。プラズマ技術でゴミをエネルギーに変える日本の施設をDavid Cyranoskiが取材した。
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2月号
2月号不正と闘う科学誌
科学論文の発表における不正行為をなくすための確かな一歩が踏み出された。2006年12月初旬、Science 誌は、今後は一部の「高リスク」論文を対象に、より重点的な精査を行っていくことを表明した。
幹細胞治療は正しい方向に進んでいる
幹細胞治療は、損傷したり変性したりした組織を回復させることができる治療法として有望視されている。幹細胞は現在、血液の入れ換えに本格的に用いられており、次は筋ジストロフィーの治療で成功を収めることになりそうだ。
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4月号
4月号日本のテレビ番組がデータのねつ造を認める
マスメディアに対し、自身の研究について話す機会のある研究者らにとって、日本で取り沙汰されている最近のテレビ番組のねつ造事件は教訓となりそうだ。
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8月号
8月号 -
9月号
9月号試された地震国日本の原子力発電所
原子力発電の将来にとって重大な時期に発生した、柏崎刈羽原発の地震被災。日本の対応は、原子力発電に関する明るい見通しと落とし穴の両方を浮き彫りにした。
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10月号
10月号 -
11月号
11月号震源への船出
最新の装置を搭載した世界最大の科学掘削船「ちきゅう」が、科学調査のための初航海に乗り出そうとしている。巨大地震が起こる現場(南海トラフ)を押さえようとするちきゅうの船出をDavid Cyranoskiが報告する。
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12月号
12月号娘のDNA
臨床遺伝学を修めたというのに、娘の体の異常がどこから来ているのかHugh Rienhoffにはいっこうにわからなかった。そこで彼はBrendan Maherにこういった。だったら自分で突き止めてやろう。
2006
2006年、Nature Digest のオンライン版をスタートさせました。1月号からは「英語でNature」を開始しています。韓国の黄禹錫(ファン・ウソク)氏によるES細胞関連論文の捏造、日本のRNA研究に関する捏造疑惑が持ち上がったのが2005年の年末から2006年の年初にかけてのことでした。Nature では盛んに論文の捏造問題への対処法が論じられ、Nature Digest でもその記事を取り上げています。なお、2012年にノーベル医学生理学賞を受賞した山中伸弥先生が、iPS細胞の作成に成功したのはこの年のことで、「Japanese Author」にご登場いただきました。また、この年の「Japanese Author」にはインフルエンザ研究で世界を牽引する河岡義裕先生にもご登場いただいています。
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1月号
1月号 -
2月号
2月号自然災害が引き起こす大混乱
この1年あまり、世界各地で自然災害が猛威をふるった。そして、その規模はこれからも拡大し続けると一部で予想されている。今後、大災害による被害増大が予測される世界の諸地域について、Quirin Schiermeierが検討した。
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3月号
3月号科学論文誌はねつ造論文を取り締まるべきか?
科学論文誌の編集者たちは、査読で意図的な研究結果のねつ造を発見できるとは考えていない。しかし、スキャンダルは続いており、論文誌はねつ造論文を見つける方法を模索している。Emma Marrisが取材した。
はやぶさを越えて
日本の小惑星探査機「はやぶさ」は、遠く離れた小惑星のサンプルを地球に持ち帰る計画だった。しかし、サンプル回収という面では失敗に終わりそうだ。日本の宇宙開発は苦闘の途上にある。今回の経験は、日本の宇宙開発にどのように影響するのだろうか。冬野いち子が報告する。
遺伝子からワクチンまで、インフルエンザウイルス研究で世界をリードする(河岡 義裕)
東京大学医科学研究所の河岡義裕教授は、インフルエンザウイルスの研究で世界をリードしている。1999年にインフルエンザウイルスの人工合成法を開発し、つい最近では、インフルエンザウイルス増殖時の内部構造について発表した。日本とアメリカ、カナダを股にかけて活躍する河岡教授に、インフルエンザ研究の現状と今後についてうかがった。
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5月号
5月号ロンドンの惨事と「スーパー抗体」
ロンドンの病院で今年3月、臨床試験に協力した6 人の健康な男性が多臓器不全で集中治療室に運ばれ、2人が危篤、4人が重症となる事件があった。この惨事の原因は、投与された薬そのものにあったことが明らかになった。いったい何が問題だったのか、この「スーパーアゴニスト」抗体による治療に将来はあるのか。Michael Hopkinが取材した。
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6月号
6月号 -
8月号
8月号 -
11月号
11月号宇宙のゆらぎを検出してノーベル物理学賞
宇宙論を精密科学へと引き上げるきっかけとなった観測。
ありふれた皮膚の体細胞から多能性幹細胞を作り出す(山中 伸弥)
京都大学再生医学研究所の山中伸弥教授たちは、皮膚などにあるありふれた線維芽細胞にいくつかの遺伝子を導入することで、胚性幹細胞によく似た人工の多能性幹細胞を作り出すことに成功し、Cell 誌に発表した。この成果は世界中の幹細胞研究者が待ちわびていたもので、Nature 誌のErika Check記者は「山中はホームランを打ったようだ」とのコメントを出した。その山中教授に研究の経緯や今後の課題などについて、話をうかがった。
2005
2005年、Nature月刊ダイジェスト は、Nature Digest と名称を変更し、付録から1冊の雑誌として独立しました。新セクションとして、オリジナル記事「Japan News Feature」、12月号からは「Japanese Author」をスタートさせています。この年には、初めてH5N1鳥インフルエンザのヒトの感染例が報告されたこともあり、鳥インフルエンザ特集を組みました。また、岐阜県神岡町のカムランドで、地球内部起源のニュートリノ(地球ニュートリノ)の観測に世界で始めて成功したことが、大きな話題となりました。ヒトとチンパンジーの塩基配列の違いは1%程度しかなかったというニュースが記憶にある方もいらっしゃるかもしれません。チンパンジーのゲノムが解読され、Nature に報告されたのもこの年のことです。
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1月号
1月号巨大な「炭素市場」が動き出す
二酸化炭素などの温室効果ガスを企業が排出することを認める、排出権の売買がすでに始まっている。温室効果ガスを吸収するように計画されたプロジェクトで利益を得る企業も現れている。こうした排出権取引市場が活況を呈すれば、二酸化炭素の排出量を本当に減らすことができるのだろうか。Michael Hopkinが報告する。
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4月号
4月号拉致をめぐる日朝間の対立で燃え上がるDNA論争
火葬された遺骨が1977年に拉致された日本人のものかどうかを判定する際に用いられたDNA鑑定をめぐって日本と北朝鮮の間に激しい論争が起こっている。
最近まで活動的だったことを示す火星の画像
火星探査機マーズ・エクスプレスに搭載された高解像度ステレオカメラによって撮影された画像から、火星の表面は水や溶岩や氷の流れによって、わずか数百万年前に形成されたことがわかった。
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5月号
5月号「百科事典」革命
2001年1月、ウェブのパワーに刺激を受けたJimmy Walesは、仲間とともにオンライン百科事典「ウィキペディア」を立ち上げた。ウィキペディアとは、数多くの人々のコラボレーションによって多言語のリファレンスツール(事典)を作り上げるというプロジェクトである。ウィキ技術という自分のウェブサイト以外の特定のサイトをユーザーが自由に修正するための技術を利用して、ウィキペディアの特定のページを修正したり、まったく新しいページを加えたりしていく。news@nature.comの記者Roxanne Khamsiが、サンディエゴ(米国カリフォルニア州)で開催されたオレイリー社のEmerging Technology会議に出席していたWalesにインタビューした。
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7月号
7月号鳥インフルエンザ:備えはOK?
東南アジアでやっかいな問題が起こっている。
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8月号
8月号中国の燃える野望が地球環境を脅かす
中国の経済発展は、世界最多の人口を抱えるこの国を変ぼうさせている。しかし、エネルギー不足と環境汚染の激化が、奇跡の発展をはばむ課題として浮上してきた。とくに環境への影響は、地球全体の気候を大混乱に追い込む危険性もはらんでいる。Peter Aldhousが報告する。
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10月号
10月号 -
11月号
11月号研究助成金を受け取るまでの悪夢
自分の仕事の嫌なところを1つ挙げてもらうと、研究助成金の申請手続きだという科学者が多い。この手続きがそれほどに挫折感を抱かせるのはなぜか。どうすれば事態は改善されるのか。Nature の記者たちが研究者に問いかけた。
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12月号
12月号
2004
2004年、Nature 日本語版付録として「Nature月刊ダイジェスト」が創刊となりました。この年の記事を振り返ってみると、核や原子力についての記事を多く取り上げています。そのほか、DNAの二重らせん構造を発見したフランシス・クリックが逝去したこと、インドネシアのフローレス島で小型のヒト族「ホモ・フローレシエンシス」が発見されたことなども話題になりました。なお日本では、富士山のハザードマップが作られており、記憶にある方もいらっしゃるかもしれません。今でこそゲノムの解読が容易になってきていますが、ラットの全ゲノムが解読されたのはこの年で、まだ当時は、ゲノム解読が難しい技術であったことがわかります。
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1月号
1月号ライバルを出し抜け― 熾烈な研究競争
細胞生物学や分子生物学などの競争の激しい分野では、第2位でゴールインした者に与えられる栄誉はない。しかし「ホット」な結果を一番に発表することに対する圧力は、科学の進歩をゆがめてはいないだろうか。激化する競争の現状をHelen Pearsonが報告する。
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4月号
4月号富士山 眠れる巨人の身震い
富士山は日本文化のひとつの象徴であり、地質学的にも最も重要な日本の特徴となっている。しかし、数年前に富士山で地震が頻発するようになるまで、科学者たちは富士山にほとんど関心を払ってこなかった、とDavid Cyranoskiは言う。富士山は再び噴火しようとしているのだろうか。
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5月号
5月号ルネサンス時代を迎えたラット
ラットはそのゲノム配列が明らかになり、遺伝子工学によって新たな系統ができると期待され、研究者のお気に入りの実験動物として名誉ある地位を回復しつつある。Alison Abbottが、この素晴らしい齧歯類(げっしるい)について紹介する。
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6月号
6月号月と火星の探査はロボットとともに
ブッシュ米大統領は、月面基地を建設し、火星に人間を送るという大胆な将来構想を打ち出した。だが実現させるには、宇宙飛行士はさまざまな作業をロボットに助けてもらわなければならないだろう。米航空宇宙局(NASA)にはその技術があるのだろうか。Tony Reichhardtが報告する。
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7月号
7月号原子力に夜明けは来るか?
地球温暖化とエネルギー需要の増大で、原子力が見直されている。しかし、原子力がエネルギー源として確固たる地位を占め続けるためには、さらに安く、クリーンで、安全なものにならなければならない。Declan Butlerが報告する。
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10月号
10月号クリック博士の遺志を引き継ぐ
フランシス・クリックは、物事を極めて深く考える生物学者の一人だった。今、生物学の世界は、彼の死を悼んでいる。クリックが1970年に発表した未来学の小論文には、彼の先見の明が示されており、今日の理論研究者にとっての課題が示唆されている。
ある日、私は「スパイ」になった
芹沢宏明は米国に渡り、前途有望な生物学研究者として順調に実績を積んでいた。しかし、彼の研究者人生はある日突然、めちゃくちゃになった。親切心で友人に協力したことが、日本を利するための産業スパイ行為だったと米連邦捜査局(FBI)にみなされたのだ。事の顛末をのDavid Cyranoskiが聞いた。
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11月号
11月号インドネシア東部のフローレス島で出土した新しい人類化石の考古学分析と測定年代
東インドシネシアのフローレス島にある石灰岩でできた大きな洞窟、リアン・ブア(Liang Bua)の発掘研究から、小柄なヒト族(Hominini)の化石人類集団がいたことを示す証拠が得られ、解剖学的見地からこの人類は独立種とするに十分な特徴を備えており、新しい種、Homo floresiensis(ホモ・フローレシエンシス)に分類された。
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12月号
12月号「予知」の封印を解く
米国の地震研究者たちは長い間、「予知」という言葉を避けてきた。しかし、観測データの質が改善されたり、一般の認識が変化してきたりして、研究者のそうした決心も揺らぎ始めている。David Cyranoskiが地震予知をめぐる議論を追った。