Letter B細胞成熟因子Blimp-1はヘッジホッグシグナルに応答して脊椎動物の遅筋線維の独自性を定める 2004年1月1日 Nature Genetics 36, 1 doi: 10.1038/ng1280 脊椎動物の骨格筋は、形態、収縮機能、ミトコンドリア容量および代謝特性の違いにより明確に区別される異なったタイプの筋線維で成り立っている。最近の研究で、後胚期の発生における筋線維タイプの可塑性を調節する生理的刺激の主要なメディエータとして、転写共役活性化因子であるPGC-1αが同定された。筋芽細胞は発生初期に異なった種類の筋線維への分化が定められるが、胚において筋線維タイプの特性を決定する調節タンパク質の本体はいまだ明らかではない。今回我々は、遺伝子u-boot ( ubo)(この遺伝子に変異があると胚において遅筋線維が誘導されない)が、Blimp-1のゼブラフィッシュのホモログをコードしていることを示す(Blimp-1は、哺乳類においてはSETドメインをもち、B細胞の最終分化を促進する転写因子である)。 ubo の発現は、後に遅筋前駆細胞になると考えられる細胞で、ヘッジホッグ (Hh)シグナルによって誘導される。また、その活性のみで、まだ運命が決まっていない筋芽細胞に遅筋線維特異的な発生を促すのに十分である。我々のデータは、筋前駆細胞の特定のグループが、脊椎動物胚の位置情報の刺激に応答して、筋線維タイプそれぞれの経路に沿って分化する機構に関する最初の分子レベルでの考察である。 Full text PDF 目次へ戻る