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ヒトにおける組換え率と繁殖可能性

Nature Genetics 36, 11 doi: 10.1038/ng1445

DNAの世代間混ぜ合わせは、配偶子形成期における相同染色体の減数分裂時遺伝的組換えにより起こり、真核細胞ゲノムに多様性を生み出す重要な事象である。我々は、23,066の個体に関してゲノム全体のマイクロサテライト分析データを調べることで、母方と父方の減数分裂、それぞれ14,140例での遺伝的組換えの情報を得て、子における母由来の組換え数と母親の年齢との間に正の相関があることを見いだした。我々は、卵細胞での組換え率は母親の年齢にともなって増加するのではなく、見かけ上の増加は選択の結果であるとの仮説を立てた。具体的には、高い組換え数は配偶子がそののち子として出生する確率を増大させ、その影響は母親の年齢が上がるにつれて顕著になった。この仮説はさらに、卵母細胞での組換え率が高い母親は多くの子供を得る傾向にあるという観察からも裏付づけられた。したがって、遺伝的組換えは遺伝子変化の多様な組み合わせを生み出すことで自然選択を目的にした進化における役割を果たしているだけでなく、組換え自体が選択圧の支配下にもあるということになるわけである。

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