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ヒト減数分裂期の乗換えホットスポットにおける高度に局在化した遺伝子変換活性

Nature Genetics 36, 2 doi: 10.1038/ng1287

減数分裂期に起こる遺伝子変換は遺伝子や反復配列ファミリーの均質化、対立遺伝子の多様化に重要な役割を担っており、時に病因性の結果をともなうこともある。しかしヒトにおける遺伝子変換の動態や、減数分裂期の染色体乗換えとの関連についてはよく知られていない。そこで我々は、精子形成の減数分裂期に起こる遺伝子変換を解析するためのスクリーニング法を開発した。この手法により、主要組織適合複合体(MHC)にある2か所の乗換えホットスポットと、性染色体上の偽常染色体領域PAR1にある1か所の乗換えホットスポットについての解析が可能になった。これら3つのホットスポットでは遺伝子変換および乗換えが活性化されている。遺伝子変換は狭い範囲で起き、その活性は乗換えのピークを中心に両方向への急勾配を示した。このことは乗換えと遺伝子変換が同じ組換え開始機構に由来しているという見解と一致している。これらの開始反応はある1点ではなく狭い範囲内の複数箇所で起きており、乗換えよりも遺伝子変換を優先的に生じているようである。乗換えの終了点は変換の終了点よりも広範囲に散在していることから、乗換えと変換では開始反応以降の過程に違いがあるか、相同染色体どうしの短い距離での相互作用に対して優先的に遺伝子変換がもたらされるようなチェックポイント機構が存在することを示唆している。

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