Technical Report

ヒトゲノムを完全にカバーするタイリング手法にもとづいた分解能をもつDNAマイクロアレイ

Nature Genetics 36, 3 doi: 10.1038/ng1307

我々は、ヒトゲノム全長をカバーする32,433個の互いに重なり合うBACクローンで構成されたタイリング手法(タイル貼り状にびっしりと敷き詰めた密度をもつ)にもとづく分解能のアレイを作製した。これは、たった1回の比較ゲノムハイブリダイゼーション(CGH)によって、遺伝的な変化やその変化の境界をゲノム全長に対して検索し同定する可能性を上げるものである。今回のタイリング手法にもとづく分解能により、以前には報告されなかった微細なDNAの変化を同定することができた。これらのDNAの変化としては、癌遺伝子、癌抑制遺伝子、あるいは種々の腫瘍タイプに関連する新規遺伝子を含む小領域の増幅や欠失があげられる。我々の知見は、マーカーとマーカーの間は連続であると仮定している従来法のマーカーに依存するゲノムの比較法から脱却する必要性を示している。このMb未満の分解能をもつCGH用のセット(SMRTアレイ)によって、ゲノムの状態の包括的な評価が可能となり、疾患に関連する新しい遺伝子を同定することが可能となる。

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