Article 5-リポキシゲナーゼ活性化タンパク質をコードする遺伝子が心筋梗塞と脳卒中のリスクに関わっている 2004年3月1日 Nature Genetics 36, 3 doi: 10.1038/ng1311 我々は、心筋梗塞のかかりやすさに関与する遺伝子が染色体の13q12-13の位置に存在することをつきとめた。この座位にある5-リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)をコードする遺伝子、ALOX5APに存在する4つの一塩基多型(SNP)マーカーにもとづいたハプロタイプが、アイスランドにおける心筋梗塞のリスクを2倍に上げることと相関していた。このハプロタイプはまた、脳卒中のリスクをほぼ2倍に上げることに寄与していた。ALOX5APの別のハプロタイプは、英国出身の心筋梗塞患者群と相関があった。心筋梗塞患者の好中球を刺激すると、健常者の好中球と比較して、5-リポキシゲナーゼ経路の主要産物であるロイコトリエンB4がより多く産生された。この差は主として、リスクとなるハプロタイプをもつ男性から得られた好中球によるものであった。我々はALOX5APタンパク質の多様性が、ロイコトリエン産生と動脈壁の炎症を増大させることによって心筋梗塞と脳卒中の病因に関わっていると結論づけた。 Full text PDF 目次へ戻る