Article 5-リポキシゲナーゼが肥満と骨の感受性に関わる遺伝子であることを同定するために、マウス分離集団の遺伝子型と発現データを統合する 2005年11月1日 Nature Genetics 37, 11 doi: 10.1038/ng1619 ヒトの一般的疾患のように複雑な形質に関与する遺伝子を同定するための順遺伝学アプローチは、あまりうまくいっていない。連鎖領域の詳細なマッピングやポジショナル候補遺伝子の証明には時間がかかり、しかも必ずしも成功するとは限らない。本論文では、複雑な形質に関与する座位をマッピングする方法として、順遺伝学と逆遺伝学のアプローチの能力を強化したハイブリッドな方法について詳しく紹介する。マウス分離集団で遺伝子型と発現データを統合することにより、ゲノムの領域と連鎖する発現QTL(量的形質座位)のクラスタが、複雑な形質を制御する遺伝子の変異により引き起こされる転写ネットワークの妨害をいかによく反映することができるかを示す。マウス分離集団の発現パターンを、一遺伝子のノックアウトにより誘導される発現応答と一致させることにより、発現クラスタと臨床的QTLを調節する遺伝子を直接マッピングできることを報告する。我々は以前にC57BL/6JとDBA/2J系統間のF2家系に QTLを同定したが、5-リポキシゲナーゼがその基礎にあり、なおかつ5-リポキシゲナーゼが体脂肪レベルや脂質レベル、骨量に多面的影響することを示すことにより、この方法の有用性を証明する。 Full text PDF 目次へ戻る