Article 遺伝子の関連研究の効率と検出力 2005年11月1日 Nature Genetics 37, 11 doi: 10.1038/ng1669 ゲノムワイドの関連研究を目的としたタグSNP(tagSNP)の選別および解析について、特に遺伝子型判定に費やす費用や時間と統計的検出力との関係を調べることにより検討した。ペアワイズ法あるいは複数のマーカーを使う方法によって、その効率や検出力は最大限に発揮されるのだろうか。ハップマップのような不完全なリソースからタグを選ぶと、検出力はどの程度損なわれるのであろうか。我々はこの問題に、ハップマップ ENCODEプロジェクトからの遺伝子型データと、実在の疾患モデルにもとづきシミュレーションされた関連研究、そして複数の仮説を検定する方法で経験的に必要になる修正を用いて対処した。我々は、単一マーカーによる検定に比べて一貫して優れているハプロタイプを利用したタグ法、およびタグの効率を著しく上げる優先順位づけの方法を開発した。既知のSNPの代わりとなるハプロタイプだけでなく、観察された全ハプロタイプの関連を調べたところ、よくある疾患対立遺伝子の検出力は低下したものの、まれな疾患対立遺伝子の検出力は高まった。検出力は、そこからタグを選択する参照パネル(reference panel)の完全性に影響されなかった。本報告は、タグSNPの優先順位づけや関連研究の解釈に重要な意味をもつものである。 Full text PDF 目次へ戻る