Research Highlights

ヒトB細胞の調節ネットワークのリバースエンジニアリング

Nature Genetics 37, 4 doi: 10.1038/ng1532

細胞の形質は、協働調節遺伝子群を結ぶネットワークの活性の差によって決定される。現在、ゲノムワイドな発現プロファイルからそのようなネットワークをリバースエンジニアリングにより解明する方法は、単純なゲノムをもつ下等真核生物の研究においてのみ成功している。今回、ARACNe(正確な細胞ネットワークを再構築するためのアルゴリズム)と呼ばれる新しい方法を用いることにより、ヒトB細胞の発現プロファイルから調節ネットワークを再構築したので報告する。結果は階層的なスケールフリーなネットワークを連想させ、そこでは少数の高度に相互連結された遺伝子(ハブ)がほとんどの相互作用を占めている。利用可能なデータを用いてネットワークを検証したところ、MYCが主たるハブで、MYCは既知の標的遺伝子と新しい遺伝子からなるネットワークを調節していることがわかった。これらの遺伝子の生化学的な検証も行った。新しく同定されたMYCの標的遺伝子は、いくつかの主要なハブを含んでいた。この方法は哺乳類細胞において生理的および病理的ネットワークを解析する上で一般的となりうる有用な方法である。

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