Research Highlights 突然変異による適応度地形モデルの一本鎖DNAウイルスを用いた実証的検定 2005年4月1日 Nature Genetics 37, 4 doi: 10.1038/ng1535 適応進化についての一般理論を体系化するに際しての主要な妨げは、新規の有利な突然変異に対する適応度効果の分布が明らかになっていないことである。Gillespieは、極値理論を適用することで、DNA配列の適応に関する突然変異による地形モデル(mutational landscape model)においてこの問題を回避した。さらにOrrは近年Gillespieのモデルを拡大適用し、適応進化の過程に関して検定可能な予測を可能とした。本論文で我々は、φX174近縁種の一本鎖DNAバクテリオファージを用いて、このモデルの実証的検定を初めておこない、モデルが突然変異による偏りを考慮するよう修正されている条件で、我々のデータがOrrの予測と一致することを見つけた。Orrの研究結果は、系の生物学的な詳細を超える分子レベルの適応進化における一般原則の存在の可能性を示唆するものである。我々は、Orrのモデルが予測ツールや推論ツールとして有用であるためには、系の生物学的特性に関してのある程度の修正が必要となることを示す。 Full text PDF 目次へ戻る