Research Highlights 複雑疾患に影響を及ぼす多因子を同定するためのゲノムワイドな戦略 2005年4月1日 Nature Genetics 37, 4 doi: 10.1038/ng1537 約10年にもおよぶ学界および産業界の熱心な研究努力の末、多因子による生活習慣病のゲノムワイドな大規模関連研究が行われようとしている。これらの疾患では、遺伝子型と表現型の間の複雑な関係の解析を含んでおり、連鎖していない座位間の相互作用もその対象であるが、現在、そのような研究でよく使われる手法は、座位ごとを扱うやり方である。今回我々は、座位間の統計的相互作用を明確に探し出す解析方法を考えた。最初に、たとえ何十万におよぶ座位の研究であっても、それらの解析が計算機的に可能であることを示し、次に、多重検定法に対する最も慎重な補正法を使っても、座位間の相互作用に関するモデルとして、従来のどの解析方法よりずっと強力であることを示す。また、相互作用をする座位に関する対立遺伝子頻度がいろいろな集団間で変動することが、限界効果を発見する能力に大きく影響を与えうることを示す。これにより、関連研究の結果を再現することが難しいというよく知られた事実の理由が一部説明できるかもしれない。これらの結果は、遺伝子座間での相互作用を調べることを、ゲノムワイド関連研究に取り込んで実りある成果を上げうるであろうことを示唆している。 Full text PDF 目次へ戻る