Article 染色体全体およびプロモーター特異的におこなった解析により、ヒトの正常細胞と形質転換細胞の間でDNAメチル化に違いのある部位が同定された 2005年8月1日 Nature Genetics 37, 8 doi: 10.1038/ng1598 シトシンのメチル化は哺乳類の発生において必要であり、しばしばヒトの癌において乱れている。初代培養細胞および形質転換細胞のゲノムにおいて、このエピジェネティックな修飾がどのように分布しているかを調べるために、我々は免疫捕捉法のあとにDNAマイクロアレイ解析を行い、80Kbの解像度のヒト全染色体のメチル化プロファイルと、大きなセットのCpGアイランドに対するメチル化プロファイルを作成した。初代培養細胞では、我々は遺伝子が豊富な領域の近傍において過度のメチル化を示す広範なゲノム領域を同定した。女性と男性の細胞では常染色体においては見分けのつかないプロファイルであったが、X染色体においては違いがあった。X染色体の不活化(Xi)は、遺伝子が豊富な領域のうちのある領域だけにおいて過剰メチル化が起こっており、意外なことに全体としては、不活化されていないX染色体に比して低メチル化傾向にあった。形質転換細胞の染色体のメチル化のプロファイルは初代培養細胞のものと同様であった。にもかかわらず、我々は、形質転換細胞において、遺伝子過疎領域に存在する低メチル化を示す大きなゲノム領域を発見した。さらに、6000CpGアイランドの解析では、プロモーターのごく少数の領域のみのメチル化が異なっており、癌にけるCpGアイランドのプロモーターのメチル化の異常は過去に考えられていたよりも低い可能性が示唆された。 Full text PDF 目次へ戻る