Research Highlights ヨーロッパ系アメリカ人の層別化を実証する 2005年8月1日 Nature Genetics 37, 8 doi: 10.1038/ng1607 患者対照研究において集団の層別化は、祖先のために患者群と対照群の間で対立遺伝子頻度に違いがある場合に起こる。層別化は、異論がなくはないが、偽陽性の関連をもたらすおそれがある。実証的研究からはヨーロッパ系集団での層別化の証拠はほとんど見つかっていないが、有意となる層別化の可能性は払拭されていない。我々は、ヨーロッパ全体を通して大きくばらつきが見られる遺伝的形質である身長差に関するヨーロッパ系アメリカ人パネルを検討した。178のSNPの遺伝子型解析や標準的な分析手法では、層別化の証拠はない。ところが、ヨーロッパ全土にわたり頻度のばらつきが大きい遺伝子LCTのSNPは、身長に強く関連が見られた(P < 10-6)。この明らかな関連は、大部分または完全に層別化に起因していた。ヨーロッパ系祖先による違いに基づいて個別に再照合すると、その関連は大幅に減少し、ポーランド系やスカンジナビア系の個体では関連は見られなかった。標準法でこの層別化が検出できない現状は、新しい分析法の必要性を示唆するものである。 Full text PDF 目次へ戻る