Letter 実際のリボザイムはエラー閾値の軽減を示す 2005年9月1日 Nature Genetics 37, 9 doi: 10.1038/ng1621 複製におけるエラー閾値は、それ以下では適切な遺伝子型の消失が確定するコピー形成の限界忠実度を示し、選択によって維持可能なゲノム長を制限している。原始的な複製はエラーを起こしやすかったはずであり、そのため初期のレプリケーターはやむを得ず短くなっていたと考えられている。エラー閾値はまた適応度地形によって決まる。RNAワールドにおいては、多くの中立変異や代償性変異は閾値を上昇させることができる。この閾値以下では、特定の配列ではないが、機能的な表現型が依然として存在する。本論文で我々は、広範囲にわたり突然変異を誘発した2つのリボザイムの比較解析にもとづいて、複製に際してヌクレオチドあたり0.999のコピー忠実度の条件で、表現型のエラー閾値が7000ヌクレオチドをはるかに上回って増大し、これによって100以上の異なるtRNAサイズの遺伝子からなるゲノムをもつ機能性に富んだRNA生命体(riboorganism)の選択的維持を可能にすることを明らかにする。これには、in vitroで生成されたポリメラーゼであるリボザイムの正確さが一桁向上されていなければならない。このゲノムサイズは、偶然にも、翻訳に関係する遺伝子を省略するトップダウン解析によって得られた最小細胞での予想サイズと一致する。 Full text PDF 目次へ戻る