Technical Report 個々のヒト染色体分子を対象とする広範囲のpolonyハプロタイプ決定法 2006年3月1日 Nature Genetics 38, 3 doi: 10.1038/ng1741 本論文では、DNAポリメラーゼ・コロニー(polony)技術を利用して、ヒト染色体のDNA分子に対して複数遺伝子座にわたる長い領域のハプロタイプをin vitroで解析する方法を報告する。何千もの無傷の染色体DNA分子を顕微鏡用スライドグラス上のポリアクリルアミドゲル内部に固定化し、個々の分子を多重増幅させることで、ヒト7番染色体の153Mbという長い領域にわたるハプロタイプを決定し、ヒトリンパ球で稀に起こる体細胞組換えの証拠を見いだした。さらに、DNA polony技術は多数を並行して実施できるので、1枚のスライドに集積されたDNA群に対する効率的なハプロタイプの決定を可能にする。すなわち、本法の処理能は現行のDNA分子のハプロタイプ決定法に比べて3桁大きい。この集積DNAハプロタイプ決定法によって求められた連鎖不平衡の統計データは、統計的に推論されたハプロタイプよりも正確である。このハプロタイプ決定法は、哺乳類における組換えパターンの検出同様、候補遺伝子を利用した関連研究にも適している。 Full text PDF 目次へ戻る