Technical Report

二倍体標本由来のSNPを配列から自動的に検出し、遺伝子型を決定する

Nature Genetics 38, 3 doi: 10.1038/ng1746

DNA塩基配列の変異の検出は、塩基配列決定法が最も高感度で自動化された方法であるので、すべての遺伝学的解析の基本となっている。本論文では、蛍光標識にもとづく配列データからSNPを正確に検出し、遺伝子型を決定するアルゴリズムについて説明する。このアルゴリズムは、ヘテロ変異をもつ個体の同定を介したSNPの検出に特に重点を置いているため、DNA増幅後に得られた二倍体標本におけるSNPの検出にきわめて適している。このアルゴリズムは、既存のアプローチに比べてかなり正確であり、さらに注目すべきことには、検出されたSNP候補と判定された遺伝子型の信頼度(正確性)を数値化して提供する点である。最高信頼度を得た結果については、いくつかの状況に対しておこなう人手による見直しの必要がないと考えてよい。例えば、47から90の個体由来の、正逆両方向のDNA鎖の塩基配列を決定して得られた配列データの場合、このアルゴリズムによって得られた最高信頼度を示す結果では、全SNPの93%、さらに高頻度SNPの100%が検出され、しかも、偽陽性のSNPが同定されることはなく、遺伝子型決定の確度は99.9%であった。本アルゴリズムはソフトウェア・パッケージPolyPhred version 5.0として提供されており、学術目的に自由に利用できる。

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