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ペア相互作用の特性による薬剤の機能的分類

Nature Genetics 38, 4 doi: 10.1038/ng1755

多剤による治療は内科領域や生物学的システムを探索する上でますます重要となってきている。これまでに多くの研究において特定の薬剤間の相互作用について焦点が当てられてきているが、完全な薬剤の相互作用ネットワークのシステム的な特性についてはほとんど知られていない。遺伝子を対応させるのと同様に、2つの薬剤がまったく相互作用しないこともあれば、あるいは相乗的に作用することによりそれぞれの効果が増強されたり、競合的に作用することにより抑制されたりすることもあるだろう。本論文では、大腸菌の成長率に影響を与える21の抗生物質において、ぺアでの相互作用を定量的に測定するために、感度の高い生物学的発光技術を用いた。その結果、薬剤の相互作用ネットワークには特別な特性があることが見いだされた。すなわち、いかなる2つのクラスの薬剤も、純粋に相乗的、あるいは純粋に競合的のどちらかに分類できるということである。これらのクラスは、薬剤の影響を受ける細胞機能に直接的に対応していた。このネットワークアプローチは、薬剤の機能的なメカニズムとその細胞標的を理解するための、新しい概念的な枠組みを提供するものであり、突然変異体のスクリーニングや生化学的アプローチあるいは顕微鏡などでは手に負えないようなシステムに適用することが可能である。

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