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脊髄小脳失調8型におけるCUGおよびCAGの伸長した転写産物の両方向からの発現と核内ポリグルタミン封入体

Nature Genetics 38, 7 doi: 10.1038/ng1827

我々はこれまでに、(CTG)nの伸長が、浸透率の低い遅進行性運動失調である脊髄小脳失調8型(SCA8)を引き起こすことを報告した。本論文では、内在性のプロモーターを使ってヒトのSCA8変異遺伝子の全長が転写される、トランスジェニックマウスモデルについて報告する。(CTG)116伸長をもつマウス系統では、in vivoでの画像化により、小脳・皮質抑制の減少を示す進行性の神経学的表現型が見いだされたが、対照の(CTG)11系統では見られなかった。SCA8伸長マウスおよびヒトSCA8の病理解剖組織の小脳プルキンエや脳幹ニューロンにおける1C2陽性核内封入体は、ポリグルタミンタンパク質の翻訳によって生じる。このタンパク質は、CAG方向の反復配列、すなわち、これまでに同定されていない逆方向の転写産物(ataxin 8、ATXN8)によりコードされている。BAC対照系統には見られないが、SCA8 BAC伸長系統では見られる神経学的な表現型は、(CTG-CAG)nの伸長による病原性を示している。そのうえ、タンパク質をコードしない(CUG)nの伸長した転写産物(ataxin 8の逆鎖、ATXN8OS)の発現および核内ポリグルタミン封入体の発見から、SCA8の発症機序がタンパク質とRNAレベルの両方での毒性機能獲得性の機構に関与することが示唆される。

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