Article ヘテロなストックマウスにおける複雑な形質のゲノムワイドな遺伝的相関 2006年8月1日 Nature Genetics 38, 8 doi: 10.1038/ng1840 量的形質(QTL)を詳細にマッピングする困難さは、マウスにおいて複雑な形質を分子的に解析する上で大きな障害となっている。本論文では、多数の表現型に関するゲノムワイドな高解像度マッピングが、遺伝的にヘテロなストックマウスを用いることにより達成できることを示す。我々は、地味だが強力なブースストラップ解析法を開発し、843QTLについて95%信頼限界で平均間隔2.8Mbのマッピングをおこなった。これらのQTLは、97形質の変化について貢献しており、それらのなかには免疫学的、生物学的、血液学的形質のみならず、ヒト疾患(喘息、2型糖尿病、肥満、不安)が含まれている。ほとんどすべての表現型の遺伝的な構造は複雑であり、多くの座位の1つ1つが少しずつ全体の変化に貢献している。我々のデータセットは、http://gscan.well.ox.ac.ukからフリーに利用可能で、多くの複雑な形質に含まれる遺伝子の機能的な特徴づけをおこなう際の入り口となるものであろう。 Full text PDF 目次へ戻る