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TGFβとWntシグナル伝達:非カノニカルWntシグナル伝達による形態形成の修飾には、ATF/CREBファミリーを介したTGFβ2の転写活性化が必要である

Nature Genetics 39, 10 doi: 10.1038/ng2112

カノニカルWntシグナル伝達の下流の転写制御は、βカテニンによる、よく知られた標的の活性化を介することはわかっているが、Wntの非カノニカルのシグナルに応答すると考えられる転写制御についてはまだよくわかっていない。我々は今回、非カノニカルWntシグナル伝達に重要な転写経路を同定した。Wnt11は、発生途中の心臓においてカノニカルβカテニン経路の直接の標的であり、Wnt11変異体は心血管系流出路の障害をきたすことを見いだした。本論文では、Wnt11シグナル伝達が、心臓の流出路形成に必要な細胞外マトリックスの組成、細胞骨格の再構成、極性をもった細胞の移動に影響を与えることの遺伝的および生化学的証拠を示す。注目すべきことに、器官形成の鍵となる因子であるトランスフォーミング成長因子β2(TGFβ2)は、発生中の心臓や中胚葉節において、1つもしくは2つ以上の活性型転写因子(ATF)/サイクリックAMP反応エレメント結合タンパク質(CREB)ファミリーメンバーによって、Wnt11を介した非カノニカルシグナル伝達によって調節されている。これらのことから、少なくともWnt11→ATF/CREB→TGFβ2経路による転写制御の一部が、非カノニカルWntシグナル伝達に応答した形態形成の調節に重要であると考えられる。

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