Letter 身長:HMGA2の頻度の高い多型が、一般の集団の成人と小児の身長に関連している 2007年10月1日 Nature Genetics 39, 10 doi: 10.1038/ng2121 ヒトの身長は、昔から知られている非常に遺伝性の高い量的形質である。身長に影響を与える遺伝的な変異(多型)を同定する手始めとして、我々は4,921人のサンプルを用いてゲノムワイドな関連解析を行った。癌遺伝子であるHMGA2 のrs1042725における頻度の高い多型が、身長と関連を示した(P=4x10-8)。HMGA2はまた身長に影響を与えると考えられる強い生物学的な候補遺伝子でもある。なぜなら、この遺伝子の稀で重篤な突然変異がヒトとマウスにおいて身体の大きさを変化させるからである。それゆえ、rs1042725について追加のサンプルを用いて調べた。4つの研究からなる合計19,064人の成人のサンプルで関連が確かめられた(P=3x10-11、ゲノムワイド関連解析データを加えた全体ではP=4x10-16)。また、小児(P=1x10-6、N=6,827)と、高身長⁄低身長の症例対照研究(P=4x10-6,N=3,207)においても関連が確認された。我々は、rs1042725は、身長における集団の多型の約0.3%(C対立遺伝子をもつ成人が約0.4 cm高い)を説明するものと推測する。頻度の高い多型でヒトの量的形質と再現性をもって関連を示す例はほとんどない。これらの結果は、我々の知る限りでは成人と小児の身長に関連を示す、常に再現性を示した最初の関連である。 Full text PDF 目次へ戻る