Letter マイクロRNA:マイクロRNAの標的認識部位に対する接近しやすさの役割 2007年10月1日 Nature Genetics 39, 10 doi: 10.1038/ng2135 マイクロRNAは遺伝子発現の鍵となる調節因子であるが、マイクロRNAと標的RNAとの相互作用の正確な機序についてはよくわかっていない。我々は、マイクロRNAの標的認識において、mRNA内の塩基対の相互作用によって決定される、標的部位への接近しやすさの役割を系統的に調べた。実験的に、標的への接近しやすさを消失させるような突然変異を起こすと、マイクロRNAを介した翻訳抑制効果を十分に減少させることができ、それは、塩基配列相補性を消失させる突然変異と同じ効果を示した。我々は、マイクロRNA-標的相互作用についてパラメーターを用いないモデルを考案した。これは、マイクロRNA-標的二本鎖の形成によって得られる自由エネルギーと、マイクロRNAに標的を近づけるために標的部位の塩基対をはがすエネルギーコストとの差を計算するものである。このモデルは我々の実験の多様性を説明することが可能で、既存のアルゴリズムよりも正確に標的を予測することができ、標的をゲノム上の接近しやすい場所に位置させることにより、それへの接近しやすさが調節されていることが示された。以上のように我々の研究は、標的への接近しやすさはマイクロRNAの機能において重要な因子であることを示す。 Full text PDF 目次へ戻る