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コピー数多型:実験マウスでの反復DNA配列のコピー数多型

Nature Genetics 39, 11 doi: 10.1038/ng.2007.19

異なった種間、集団間および個人間では、そのゲノムの個々の部分のコピー数は大幅に異なっている。これらの遺伝的な差異が世代という長い時間をかけて、どのような方法で生じているのか、またそれが起こる頻度はどのくらいかについては、あまり明らかになっていない。本論文では、最近の共通先祖を共有する系統間の相違を利用して、実験マウスでの自然発生のコピー数多型(CNV)をゲノム規模に解析した。高解像度マイクロアレイを使って、約967世代にわたる同系交配を行ったC57BL⁄6系統の14コロニー間で38のCNVを同定し、また、さらに12系統でこれらの遺伝子座を検討した。多くのCNVが非常に無作為な過程により生じることが、この結果から明らかになった。つまり、38のうち18は反復突然変異の産物であり、また、変化率を大雑把に見積もると、異なった遺伝子座間でおよそ4桁の開きがあった。反復CNVは、ゲノム全体にわたって認められ、43の遺伝子に影響を与え、わずか数百世代にわたってコピー数を変化させており、これらの結果から、自然に生じる多型(自然変異)への寄与については疑問が生じる。

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