Letter 乳癌:頻度の高いCASP8コード領域の変異が乳癌のリスクと関連する 2007年3月1日 Nature Genetics 39, 3 doi: 10.1038/ng1981 乳癌学会コンソーシアム(BCAC)は、乳癌と遺伝的に関連すると予測された変異のさらなる確認のため、統計的により強力な方法を統合させた症例-対照研究をおこなうために設立された。我々は、乳癌との関連がこれまでに報告されている9つのSNPについて遺伝子型解析をおこなった。その9つのSNPは、CASP8 D302H(rs1045485)、IGFBP3 -202 C→A(rs2854744)、SOD2 V16A(rs1799725)、TGFB1 L10P(rs1982073)、ATM S49C(rs1800054)、ADH1B 3’UTR A→G(rs1042026)、CDKN1A S31R(rs1801270)、ICAM5 V301I(rs1056538)、NUMA1 A794G(rs3750913)である。本研究には、9から15の研究よりデータが用いられ、11,391から18,290の症例と、14,753から22,670の対照が含まれている。その結果、CASP8 D302Hが乳癌と関連するということが証明できた。オッズ比(OR)は、対立遺伝子がヘテロの場合と稀なホモの場合のそれぞれについて、頻度の高いホモと比べると、それぞれ0.89(95%信頼領域c.i. : 0.85-0.94)、および0.74(95% c.i. : 0.62-0.87)で、Ptrend=1.1×10-7である。またTGFB1 L10Pは弱い関連を示し、それぞれOR=1.07(95% c.i. : 1.02-1.13)および1.16(95% c.i. : 1.08-1.25)で、Ptrend=2.8×10-5である。これらの結果は、十分に強力な方法が用いられれば、頻度の高い乳癌感受性対立遺伝子、すなわちリスクに与える影響の小さい対立遺伝子をみつけることができることを示すものである。 Full text PDF 目次へ戻る