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自閉症:遺伝的連鎖と染色体再編成による自閉症リスク遺伝子座の位置決定

Nature Genetics 39, 3 doi: 10.1038/ng1985

自閉症スペクトラム障害(Autism spectrum disorders;ASD)は、よくみられる遺伝性の神経発達障害である。ASDの遺伝的構造は複雑であり、その遺伝的な不均一性を克服するためには膨大な数のサンプルが必要とされる。本論文では、Affymetrix社製10K SNPアレイを用い、また少なくとも2名の患者を含む家系1,168を対象とすることで、ASDに関する他の解析よりも、解析範囲ならびに標本サイズを大きく拡大させることができた。これは、現在までにおこなわれた最大規模の連鎖解析であり、さらに、これらの家系におけるコピー数変異(copy number variation;CNV)の解析もおこなった。ADSとの関連の可能性が指摘される遺伝子座のうち、11番染色体の11p12-13とニューレキシン(neurexin)がADS発症に関連があるという結果が、それぞれ連鎖解析およびCNV解析により得られた。ニューレキシンは、すでにADSに関連づけられているニューロリジン(neuroligin)と相互作用して、グルタミン酸作動性シナプスの形成を引き起こすことが知られていることから、このグルタミン酸関連遺伝子がASD原因遺伝子の有力な候補遺伝子であることが明らかになった。

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