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塩基配列再決定:ANGPTL4を集団で塩基配列再決定することにより、トリグリセリドとHDLの増加を減少させる変異が明らかになった

Nature Genetics 39, 4 doi: 10.1038/ng1984

遺伝子の塩基配列再決定によって、複雑な疾患に影響を与える変異を全体的にとらえることが可能となる。我々はアディポカインの1つであるANGPTL4の脂質代謝における役割を調べるために、大きな集団(n=3,551)を用いて塩基配列再決定を初めて試行したので、報告する。ANGPTL4の非同義置換多型は、トリグリセリド値の高値4分の1の者に比べ、低値4分の1の者に多く認められた(P= 0.016)。ヨーロッパ系アメリカ人の約3%に存在するある変異(E40K)は、動脈硬化地域住民研究(ARIC)のヨーロッパ系アメリカ人およびコペンハーゲン市心臓研究のデンマーク人に比べて、有意に低い血清トリグリセリド値と高いHDLコレステロール値を示した。非同義置換と同義置換の変異の比は、アフリカ系アメリカ人に比べてヨーロッパ系アメリカ人において高く(4 : 1 対1.3 : 1)、浄化選択の集団特異的弛緩を示唆している。このように、ANGPTL4の多民族集団における塩基配列再決定によって、集団の歴史における民族間の差異から生ずる遺伝的変異を利用することにより、稀な変異と、よく見られる変異の両方が形質に与える影響を解析することができた。

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