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ハンセン病:逐次再現性試験により、早発性ハンセン病の主要リスク因子としての低産生型リンホトキシンα対立遺伝子を同定

Nature Genetics 39, 4 doi: 10.1038/ng2000

患者の遺伝的背景はハンセン病の発症に重要である。PARK2PACRGの共通プロモーター領域に存在する変異は、ポジショナルクローニングによって最初に同定された主要な感受性因子であった。本論文では、前報の全ゲノム関連解析で2番目に高い連鎖を示したHLA遺伝子群の近傍領域に対する連鎖不平衡マッピングについて報告する。家系関連解析のベトナム人検体でも患者‐対照関連解析のインド人検体においても、低産生リンホトキシンα(LTA)+80の対立遺伝子Aが、ハンセン病リスクの上昇と有意な関連を示した(それぞれ、P=0.007とP=0.01)。さらに、新たな患者対照研究用ブラジル人検体や家系研究用ベトナム人検体において、LTA+80の対立遺伝子Aによる影響を調べたところ、若年の患者層でさらに強い関連が得られた。家系研究に用いたトリオ(発端者と両親)の総数298のベトナム人検体全体では、LTA+80のAA/AC対CC患者に対するハンセン病のオッズ比は2.11(P=0.000024)であったが、この検体に含まれる16歳前に診断された患者のトリオである121の検体においては、このオッズ比が、5.63(P=0.0000004)に増大した。今回の研究成果は、LTAが早発性ハンセン病の主要な関連遺伝子であることを特定しただけでなく、複雑な疾患への感受性をもたらす変異の詳細な分析において、症例および集団に特異的な因子が決定的な役割を果たすことを明らかにするものである。

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