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糖尿病:全ゲノム解析から明らかになった新たな4つの染色体領域の1型糖尿病との強い関連
Nature Genetics 39, 7 doi: 10.1038/ng2068
多因子性の自己免疫疾患である1型糖尿病(T1D)を含む7種類の疾患について、Wellcome Trust Case Control Consortium (WTCCC)の行った最初の全ゲノム関連(GWA)解析から、T1Dと6つの染色体領域、12q24、12q13、16p13、18p11、12p13、4q27との関連(P < 5×10-7)が明らかにされた。本論文では、これらの領域とこれらとは異なるが高い有意性を示す5つの領域について、WTCCCの関連研究とは別個のT1D患者4,000例、健常者5,000例、罹患児とその両親の家系(トリオ)2,997例におけるその関連の正当性の確認を試みた。12q24、12q13、16p13、18p11がT1Dに関連することは明確に確認されたが(Pfollow-up≤ 1.35×10-9、 Poverall ≤ 1.15×10-14)、その他の7領域で検出された関連は弱い関連か、誤検出の関連であったと考えられた。また、非同義SNPのGWA解析から、染色体18q22がT1Dに関連する証拠が得られた。18q22や18q11などのいくつかの領域は自己免疫性甲状腺疾患との関連を示した。今回の研究成果で、有力な証拠のあるT1Dの遺伝子座の数は6から少なくとも10に増えることになる。