Letter 鉄疾患の修飾遺伝子:Mon1aの遺伝的変異がタンパク質輸送に影響を与え、マウスにおいてマクロファージの鉄量を修飾する 2007年8月1日 Nature Genetics 39, 8 doi: 10.1038/ng2059 ヒトの鉄蓄積症の重症度に影響を与える修飾遺伝子を同定する目的で、マウスを用いた量的形質遺伝子座(QTL)解析を行った。その結果、C57BL/10JとSWR/Jマウスにおいてマクロファージの鉄含量の違いに影響を与える強いQTLを染色体9番に同定した。Mon1aは進化的に保存されている遺伝子であるが、C57BL/10Jにおけるそのミスセンス対立遺伝子が、コンジェニックマウス系統でQTLと共分離した。本論文では、哺乳類の主要な鉄排出トランスポーターであるフェロポーチンが、鉄を再利用するマクロファージの表面にまで輸送されることにMon1aが関与している証拠を提示する。フェロポーチンの表面における量の差異は、細胞の鉄量の差異と相関している。Mon1aはまた、鉄代謝とは関係のない、細胞表面の分子や分泌分子の輸送においても重要であり、哺乳類の分泌装置において必須の機能を果たしていることが示唆される。 Full text PDF 目次へ戻る