Letter 癌の関連研究:タグSNPのゲノムワイド関連研究により大腸癌の感受性変異が8q24.21に存在することが確かめられた 2007年8月1日 Nature Genetics 39, 8 doi: 10.1038/ng2085 大腸癌(CRC)の遺伝するリスクにばらつきがみられるのは、おそらく低いリスクをもつありふれた変異の組み合わせによるからであろう。我々は550,000のタグSNPを用いたゲノムワイド関連解析を、930の家族性大腸癌症例と960の対照に対して施行した。最も強く関連したSNP(P=1.72x10−7、対立遺伝子検定)は、染色体8q24.21のrs6983267であった。この結果を検証するために、rs6983267の遺伝子型判定を別の3つのCRC症例対照グループ(患者4,361人・対照3,752人、患者1,901人・対照1,079人、患者1,072人・対照415人)に対して行い、全体でP=1.27x10-14(対立遺伝子検定)、オッズ比がヘテロ接合体で1.27(95%信頼区間(c.i.):1.16-1.39)、まれなホモ接合体で1.47(95%信頼区間:1.34-1.62)となり、関連の再現性が得られた。1,477の大腸腺腫症患者と2,136の対照を用いた解析の結果、CRCに対する感受性は、大腸腺腫の発症に左右されることが示唆された(OR = 1.21, 95%信頼区間:1.10-1.34;P=6.89x10-5)。これらのデータは浸透度の低いありふれた感受性対立遺伝子をもつと大腸癌にかかりやすくなることを示している。 Full text PDF 目次へ戻る