Article 多発性硬化症:インターロイキン7受容体α鎖(IL7R)は多発性硬化症と対立遺伝子性で機能的な関連を示す 2007年9月1日 Nature Genetics 39, 9 doi: 10.1038/ng2103 多発性硬化症は遺伝的要因との関連が強い脱髄性神経変性疾患である。これまでの遺伝的リスクに関する研究では、染色体6pの主要組織適合複合体以外の領域や遺伝子では、一貫した連鎖を明らかにすることができなかった。本論文では、家系研究ないしは症例対照研究から得られた4つの独立したデータセットを用いて、インターロイキン7受容体α鎖(IL7R)をコードする遺伝子の多型と多発性硬化症との関連を調べ、対立遺伝子と危険因子との間に有意の関連を見いだしたことを報告する(総合的なP=2.9x10-7)。また、病因の可能性が高いと考えられるSNP(rs6897932)は、IL7Rの選択的スプライシングされるエキソン6内に位置しており、遺伝子発現に機能的な影響を与える。このSNPは、エキソン・スプライシングサイレンサーを破壊すると推定され、そのためこのタンパク質の可溶性および膜結合性アイソフォームの量に影響を与える。 Full text PDF 目次へ戻る