Letter 多発性硬化症:インターロイキン7受容体α鎖(IL7R)の多型が多発性硬化症のリスクに影響を与える 2007年9月1日 Nature Genetics 39, 9 doi: 10.1038/ng2106 多発性硬化症は、中枢神経系の慢性疾患で、しばしば体に障害を引き起こす。また、欧米諸国の大部分では1,000人あたり1人以上の患者が認められる。多発性硬化症の代表的な炎症性病変は自己免疫的な特徴を示し、ある程度は遺伝的要因に依存している。相当な努力がなされているにもかかわらず、このような遺伝的要因のなかで、多発性硬化症との関連の再現性が確認されているのは、HLA遺伝子複合体のみである。多数の非HLA遺伝子の多型が多発性硬化症に関連することが報告されているが、今までのところ、証明には至っていない。本論文では、インターロイキン7受容体α鎖(IL7Rα)をコードするIL7Rの多型が、実際に多発性硬化症の非HLA性遺伝的リスクに寄与するという有力な証拠を報告し、多発性硬化症の病態生理におけるこの経路の役割を示す。さらに我々は、多発性硬化症の患者の脳脊髄液分画で、IL7RαとそのリガンドであるIL7をコードする遺伝子の発現が変化していることを報告する。 Full text PDF 目次へ戻る