Letter

シロイヌナズナゲノム:シロイヌナズナにおける組換えと連鎖不平衡

Nature Genetics 39, 9 doi: 10.1038/ng2115

連鎖不平衡(LD)は自然集団の遺伝的変異がどのように構成されているかを知る上で重要な特徴である。本論文では、341,602の非シングルトンSNPを用いた、19種類のシロイヌナズナArabidopsis thalianaの登録塩基配列標本に対する全ゲノムのLDパターンについて述べる。LDは、以前の推定よりもかなり速く、平均10kb以内で急速に減少していた。タグSNP選択アルゴリズムや‘hide-the-SNP’シミュレーションから、全ゲノム関連マッピングに必要なのは、確認されたSNPの40-50%だけであることが示された。この数字は、アフリカ系アメリカ人の標本での推定値とほぼ同様であった。1枚で250,000のSNPの遺伝子型判定が可能なAffymetrix社のジェノタイピングアレイは、こうした結果にもとづいて考案されている。今回の結果は、このアレイが全ゲノム関連マッピングに十分応えられるはずであることを実証している。LDの度合いにはきわめて大きな差があり、組換えホットスポットが存在する明らかな証拠がみつかった。これらのホットスポットは遺伝子間領域に選択的に生じると思われる。また、LDは自然選択の作用を反映しており、その作用は同義多型間より非同義多型間のほうがさらに大きいものである。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度