Article 腎疾患:MYH9はアフリカ系アメリカ人の非糖尿病性末期腎疾患に関連している 2008年10月1日 Nature Genetics 40, 10 doi: 10.1038/ng.232 末期腎臓疾患(ESRD)は、ヨーロッパ系アメリカ人と比べて、アフリカ系アメリカ人に4倍多く発症する。そこで、ESRDに対する感受性対立遺伝子が、ヨーロッパ人の遺伝子プールに比べて西アフリカ人の遺伝子プールに高頻度で存在するのではないかと考えた。アフリカ系アメリカ人のESRDの症例1,372例と対照806例に対して、全ゲノム混合関連解析(genome-wide admixture scan)を行ったところ、染色体領域22q12に、非糖尿病性ESRDときわめて強い関連(ロッドスコア=5.70)が見つかり、一方、糖尿病性ESRDとは関連がみられなかった(ロッドスコア=0.47)。ヨーロッパ系の対立遺伝子の各コピーは、アフリカ系に比べた相対危険度が0.50(95% CI=0.39〜0.63)であることがわかった。非筋肉性ミオシン重鎖II型アイソフォームAをコードしている遺伝子(MYH9)内に存在する複数の高頻度SNP(対立遺伝子頻度が0.2〜0.6)は、非糖尿性ESRDに2倍から4倍高い危険度で関連しており、ヨーロッパ系アメリカ人と比較して、アフリカ系アメリカ人に観察されるESRDの高いリスクのかなりの原因となっていた。 Full text PDF 目次へ戻る