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マイクロRNA:タンデムアレイによる発現のスクリーニングによりウイルスがコードするマイクロRNAが標的とする宿主mRNAを同定する

Nature Genetics 41, 1 doi: 10.1038/ng.266

マイクロRNA(miRNA)は細胞やウイルスに由来する短い非コードRNAで、それらが標的とするmRNAと不完全な塩基対を作ることにより、遺伝子の発現を転写後の段階で調節している。標的を認識するmiRNAの配列は短く、不連続の場合もあるので、バイオインフォマティクス解析から標的を予測することは困難である。この論文ではカポジ肉腫に関与するヘルペスウイルスによってコードされるmiRNAの標的となるmRNAを実験的に同定する方法を紹介する。KSHVはウイルスの潜伏期中に、単一の座位から発現される12個のプレmiRNAに由来する17個のmiRNAをコードしている。miRNAの発現や阻害によるさまざまな条件下において、転写産物量の微小な変化を調べるために何回ものスクリーニングを行い、シードした配列と合致させることにより同定される転写産物を探索した。この方法でBcl2と会合する因子をコードするBCLAF1遺伝子をmiR-K5の標的として同定し、さらに解析を進めると他のいくつかのKSVH miRNAもこの遺伝子産物を標的としていることがわかった。これらの結果はこういう種類の発現のプロファイルの解析がmiRNAの標的を同定する一般的な可能性を提供できることを示している。

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