Letter C型肝炎:慢性C型肝炎に対するペグ化インターフェロンαとリバビリンの併用療法の反応性にIL28Bがゲノムワイドな関連を示す 2009年10月1日 Nature Genetics 41, 10 doi: 10.1038/ng.449 ペグ化インターフェロンα(PEG-IFN-α)とリバビリン(RBV)の併用療法は、慢性C型肝炎の患者に推奨される治療であるが、すべての患者がウイルス持続陰性化(SVR)に至るわけではない。本報告では、C型肝炎ウイルス(HCV)感染患者の治療でみられるウイルス減少を示さない(NVR:null virological response)症例について、日本人患者で行ったHCV genotype 1型の患者のゲノムワイド関連研究(GWAS)を報告する。我々は、19番染色体のIL28B遺伝子近傍の2つのSNPがNVRと強く関連することを見いだした(rs12980275、P=1.93×10-13、およびrs8099917、P=3.11×10-15)。独立したコホートにおける研究で、これらの関連に再現性が得られた〔その場合の統合P値、2.84×10-27(OR=17.7、95% CI=10.0-31.3)および2.68x10-32(OR=27.1、95% CI=14.6-50.3)〕。NVRと比較して、これらのSNPはSVRにも関連を示した(rs12980275、P=3.99×10-24、およびrs8099917、P=1.11×10-27)。この領域のさらに詳細なマッピングによって、IL28B領域に位置する7つのSNP(rs8105790、rs11881222、rs8103142、rs28416813、rs4803219、rs8099917、rs7248668)が最も有意な関連を示した(P=5.52×10-28-2.68×10-32、OR=22.3-27.1)。末梢血単核細胞でのリアルタイム定量PCRアッセイによって、マイナー対立遺伝子をもつ人はIL28Bの発現レベルが低いことが示された(P=0.015)。 Full text PDF 目次へ戻る