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ゲノム配列決定:ライ菌Mycobacterium lepraeの比較ゲノムおよび系統地理的な解析

Nature Genetics 41, 12 doi: 10.1038/ng.477

ヒトのハンセン病の原因となり、培養ができない偏性病原菌であるMycobacterium lepraeのゲノム3.31 Mbは、退行的な進化と大量の偽遺伝子形成が特徴的である。ブラジル由来のM. leprae Br4923株の全塩基配列を通常の手法(6倍のカバー率)で行った。タイ由来のThai53株(38倍のカバー率)、および米国由来のNHDP63(46倍のカバー率)の塩基配列は、イルミナ社製のリシークエンシング技術を用いて行った。以前に塩基配列が決められていたインド由来のTN株と全ゲノムに渡って比較したところ、4株は塩基配列の99.995%が同一で、たった215の多型部位、主にSNPと5個の偽遺伝子が異なるだけであった。世界中の現存する、あるいは消滅したM. leprae株の遺伝子型を調べることにより、16個の互いに関連したSNPサブタイプを決定した。16個のSNPサブタイプから強い地理的な関連性が見いだされ、それには初期のヒトの移動のパターンが反映されており、ヨーロッパと中国をつなぐシルクロードがハンセン病の蔓延に影響したと示唆された。

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