潰瘍性大腸炎は、炎症性腸疾患の一般的な病型であるが、その病因は複雑である。ウェルカムトラスト症例対照コンソーシアム2の一環として、症例2,361例と対照5,417例において、潰瘍性大腸炎のゲノムワイド関連スキャンを行った。P <1 x 10-5で関連の証拠を示す遺伝子座は、症例2,321例と対照4,818例からなる独立したサンプルセットにおいて遺伝子型を決定する追試を行った。これらの結果、3つの新規遺伝子座にゲノムワイドで有意な関連の証拠を見出している。それぞれの遺伝子座には少なくとも1つの生物学的に意義ある候補遺伝子が含まれている。つまり、染色体20q13(HNF4A、P = 3.2 x 10-17)、16q22(CDH1およびCDH3、P = 2.8 x 10-8)および7q31(LAMB1、P = 3.0 x 10-8)である。CDH1は、最近、長期にわたる潰瘍性大腸炎の合併症であることが確立されている結腸直腸がんの感受性との関連が示されている。この新しい関連から、腸上皮障壁の完全性における変化が潰瘍性大腸炎の発症機序に寄与するかもしれないことが示唆される。