Letter パーキンソン病:ゲノム関連解析により明らかになったパーキンソン病の原因となる遺伝的リスク 2009年12月1日 Nature Genetics 41, 12 doi: 10.1038/ng.487 ヨーロッパ系パーキンソン病(PD)患者1,713人と対照健常者3,978人を対象としてゲノムワイド関連解析(GWAS)を行った。そして患者3,361人と対照4,573人に対する再現解析の結果、2か所に強い関連を示すシグナルを認めた。シグナルの1つはα-シヌクレインをコードしている遺伝子内に(SNCA、rs2736990、OR=1.23、P=2.24×10−16)、もう1つはMAPT座位に存在した(rs393152、OR=0.77、P=1.95×10−16)。日本人PD症例を対象としたGWASを行っている共同研究者らとデータ交換したところ、SNCAにおけるPDとの関連は日本人集団のGWASでも同様に検出された。このことは、この座位が集団を問わず主要なリスク座位であることを確認するものであった。また、日本人コホートで検出された新規の座位の疾患関連性を再確認し(PARK16、rs823128、OR=0.66、P=7.29×10−8)、さらにLRRK2周辺の、頻度の高い遺伝子バリアントがPD発症リスクを変化させることを裏づける証拠を得た(rs1491923、OR=1.14、P=1.55×10−5)。これらのデータから、高頻度の遺伝子バリアントが定型的PDの病因に果たす明確な役割が明らかになり、この疾患の示す集団特異的な遺伝的異質性が示唆された。 Full text PDF 目次へ戻る