Letter 腸疾患:早期発症型炎症性腸疾患に関連する5つの新規遺伝子座のありふれた多型 2009年12月1日 Nature Genetics 41, 12 doi: 10.1038/ng.489 炎症性腸疾患(IBD)であるクローン病や潰瘍性大腸炎は西洋の子どもや若年成人における病的状態の一般的な原因である。本論文では、国際共同研究によって、ヨーロッパおよび北アメリカで募集された3,426人の罹患者と11,963人の遺伝的にマッチした対照者における早期発症型IBDのゲノムワイド関連研究の結果について報告する。これは、これまでに早期発症型IBDの1,011人について行われた研究の結果を拡大するものである。我々は早期発症型IBDの感受性に関連する5つの新しい領域を同定した。つまり、サイトカイン遺伝子IL27近傍の16p11(rs8049439、P=2.41×10−9)、22q12(rs2412973、P=1.55×10-9)、10q22(rs1250550、P=5.63×10−9)、2q37(rs4676410、P=3.64×10−8)および19q13.11(rs10500264、P=4.26×10−10)である。我々の研究によって、これまでに成人発症型クローン病に関与することが示されていた32遺伝子座のうちの23遺伝子座にも、また、成人発症型潰瘍性大腸炎に関与することが示されていた17遺伝子座のうちの8遺伝子座にも関連が検出されたことから、早期発症型IBDおよび成人発症型IBD間の発症機序に密接な関係があることが浮き彫りになった。 Full text PDF 目次へ戻る