Letter 好酸球数:好酸球数に影響を与える塩基配列の変化が喘息と心筋梗塞に関連する 2009年3月1日 Nature Genetics 41, 3 doi: 10.1038/ng.323 好酸球は、炎症反応の開始と拡大に関与する多面的、多機能の白血球であり、そのため、炎症性疾患の発症機序において重要な役割を担っている。本論文では、ゲノムワイド関連解析によって、9,392人のアイスランド人において、血液中の好酸球数に影響を与える塩基配列の変化について検討したので報告する。最も有意なSNPのいくつかについては、12,118人のヨーロッパ人と5,212人の東アジア人においてさらなる解析を行った。2q12(rs1420101)、2q13(rs12619285)、3q21(rs4857855)、5q31(rs4143832)、および12q24(rs3184504)のSNPは、ゲノムワイド有意水準であった(それぞれ、P=5.3x10−14、5.4×10−10、8.6×10−17、1.2×10−10、および6.5×10−19)。IL1RL1のSNPは、異なる10の集団をまとめた集団(患者7,996人および対照44,890人)において、喘息との関連が認められた(P=5.5×10−12)。また、好酸球数との関連が示唆されたWDR36、IL33、およびMYBのSNPは、アトピー性喘息との関連も認められた(それぞれ、P=4.2×10−6、2.2×10−5、および2.4×10−4)。我々はまた、6つの異なる集団をまとめた集団(症例6,650人および対照40,621人)において、12q24のSH2B3の非同義SNPが心筋梗塞と有意な関連を示すことも見いだした(P=8.6×10−8)。 Full text PDF 目次へ戻る