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組換え:ヒトにおける組換えホットスポットの消長

Nature Genetics 41, 5 doi: 10.1038/ng.346

ヒトの減数分裂での交差(乗換え)は、主に狭いホットスポット領域に集中しており、ハプロタイプの多様性のパターンに大きく影響するとともに、ゲノムの不安定性やDNA配列の進化にも影響している。ホットスポットは一時的なものと考えられているが、その活性化のプロセスやそれに続いて起こる進化的なダイナミクスについてはよくわかっていない。本研究では、組換えホットスポットのライフサイクルを解析した。精子のタイピングから、一塩基の違いによりシスに活性化される多型ホットスポットが見いだされ、組換えを活性化するには、第一に塩基配列の要素が必須であること(十分条件ではないが)の証拠が得られた。この活性化を引き起こす変異はおよそ7万年前に出現し、バイアスをもった遺伝子変換による組織的な除去にも関わらず遺伝的な浮動によりおそらく偶然に今日まで維持されている。しかしながら、この自己破壊的な遺伝子変換は、最終的にはホットスポットの消滅につながるであろう。この発見により、高度に一過性のホットスポットのサブクラスを決めることができるようになり、ホットスポットの消長を理解することの重要性と、これがハプロタイプの多様性にどのように影響するかが重要であることを示された。

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