Article 血圧:ゲノムワイド関連解析によって血圧と関連する8個の遺伝子座が同定された 2009年6月11日 Nature Genetics 41, 6 doi: 10.1038/ng.361 血圧の上昇は、世界的によくみられる遺伝性の心血管疾患の原因である。現在まで、血圧に影響を与える頻度の高い遺伝的多型の同定は困難であった。250万の遺伝子型判定されたSNPと補完SNPを用いて、グローバルBPgenコンソーシアムに属するヨーロッパ祖先の34,433人を対象に、収縮期および拡張期血圧との関連解析を行い、その結果を直接遺伝子型判定(N≤71,225 ヨーロッパ祖先、 N≤12,889インド系アジア人祖先)と、インシリコ比較(CHARGE コンソーシアム、N=29,136)を用いて追跡調査した。その結果、収縮期および拡張期血圧とCYP17A1(P=7×10−24)、CYP1A2(P=1×10−23)、FGF5(P=1×10−21)、SH2B3(P=3×10−18)、MTHFR(P=2×10−13)、c10orf107(P=1×10−9)、ZNF652(P=5×10−9)および PLCD3(P=1×10−8)遺伝子近傍の8つの領域にある頻度の高い多型との関連を同定した。連続血圧と関連のあるすべての多型は収縮期高血圧もしくは拡張期高血圧と関連していた。これらの、頻度の高い多型と血圧および高血圧との関連は、血圧調節に対する機械論的な洞察を与えてくれ、心血管疾患を予防するための介入の新しい標的を示してくれうる。 Full text PDF 目次へ戻る