Letter 脳腫瘍:CDKN2B領域とRTEL1領域の多型は高グレード神経膠腫感受性に関連している 2009年8月1日 Nature Genetics 41, 8 doi: 10.1038/ng.408 神経膠芽腫をはじめとする神経膠腫の発症原因は依然として不明である。神経膠腫感受性に影響すると考えられる新規の遺伝子を見つけるため、275,895種類の常染色体多型について、成人の高グレード神経膠腫患者692例〔サンフランシスコ成人神経膠腫関連解析(Adult Glioma Study;AGS)からの622例と、がんゲノムアトラス(Cancer Genome Atlas;TCGA)からの70例〕、および対照3,992例〔AGSからの602例と、イルミナiControlDB(Illumina iControlDB;iControls)〕を対象として、主成分分析による補正を加えたゲノムワイド関連解析(GWAS)を行った。再現性を確かめるために、P値が10−6より小さい13種類のSNPについて、これとは別に、メイヨークリニックの高グレード神経膠腫患者176例と対照174例を用いて関連解析を行った。染色体9p21上にあるCDKN2B近傍のrs1412829のP値は、最初のスクリーニングで3.4×10−8、続いての再現性確認で0.0038、統合P値は1.85×10−10であった。染色体20q13.3上にあるRTEL1のイントロンに存在するrs6010620のP値は、スクリーニングで1.5×10−7、再現性確認で0.00035、統合P値は3.40×10−9であった。両方のSNPが示す疾患関連性の傾向は、スクリーニングおよび再現性確認の解析で差はなかった。 Full text PDF 目次へ戻る