Letter メラノーマ:ゲノムワイド関連解析から同定されたメラノーマ発症リスクに関係する3つの遺伝子座 2009年8月1日 Nature Genetics 41, 8 doi: 10.1038/ng.411 本論文では、GenoMELコンソーシアムが行ったメラノーマ発症についての、317,000のタグSNPを用いて抽出症例1,650例と対照4,336例を対象としたゲノムワイド関連解析の結果と、これらとは異なる2つのコホート〔GenoMEL由来の抽出症例1,149例と対照964例、およびイギリス・リーズにおける症例1,163例と対照903例(地域集団での症例対照解析)〕における再現解析の結果を報告する。ゲノムワイド関連解析では、ゲノムワイドでの有意性(P<5×10−7)を示す遺伝子型が明らかなSNP、もしくは推定SNPが存在する5つの遺伝子座が同定された。これらの遺伝子座のうち、以下の3つのゲノム領域で、関連の再現性がみられた。すなわち、MC1Rを含む16q24(rs258322、統合P=2.54×10−27)、TYRを含む11q14-q21(rs1393350、P=2.41×10−14)、MTAPに近接しCDKN2Aの傍らに存在する9p21(rs7023329、P=4.03×10−7)の、各領域である。MC1RおよびTYRは、メラノーマ発症のリスク因子として周知されている、色素沈着、雀卵斑様色素斑、皮膚の日光感受性に関連付けられている。9p21領域内に高頻度で見つかった多型については、今回初めてメラノーマとの関連が明らかになった。これらの遺伝的多型は、対立遺伝子頻度にかなりの違いが見られるものの、注目すべきことに、緯度の異なる地域に居住するヨーロッパ系集団間で同じ効果量を示した。そして、それぞれが疾患発症リスクとの関連を示した。 Full text PDF 目次へ戻る