屈折異常は世界中で最も多い眼疾患で失明を起こすこともある。この形質は高度に遺伝性であるが、感受性遺伝子を見つけることは難しかった。5,328人のオランダ人集団で屈折異常のゲノムワイド関連解析を行い、4つの独立したコホートで追試研究を行った(追試研究の段階では総計10,280人を含む)。染色体15q14において有意の関連を見つけたので報告する(rs634990、P=2.21×10−14)。マイナー対立遺伝子(対立遺伝子頻度=0.47)について近視:遠視を比較した場合のオッズ比は、この対立遺伝子のヘテロ接合体では1.41(95% CI 1.16−1.70)であり、この対立遺伝子のホモ接合体では1.83(95% CI 1.42−2.36)であった。関連のみられる座位は、GJD2とACTC1という網膜で発現している2つの遺伝子の近傍にあり、これらの遺伝子の転写に影響するような調節配列を含んでいると思われる。この研究のデータは15q14にあるありふれた多型が一般集団の屈折異常感受性に影響していることを示唆している。