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肥満:メタ解析により、ウエスト-ヒップ比に関連する13の座位が同定され、脂肪分布
に関わる遺伝子に男女差があることがわかった

Nature Genetics 42, 11 doi: 10.1038/ng.685

ウエスト-ヒップ比(WHR)は、体脂肪分布の測定値であり、全身肥満とは独立した代謝系の予測変数である。WHRは遺伝するが、この特性に影響する遺伝子の異型はほとんど知られていない。ボディマス指数で補正したWHRに関する32のゲノムワイド関連解析研究(77,167人の参加者)に対しメタ解析を行い、16の座位についてさらに29の研究(113,636人の対象者)で追試した。その結果、RSPO3VEGFATBX15-WARS2NFE2L3GRB14DNM3-PIGCITPR2-SSPNLY86HOXC13ADAMTS9ZNRF3-KREMEN1NISCH-STAB1CPEB4の遺伝子上あるいはその近傍にある、13の新規座位(P=1.9×10−9からP=1.8×10−40)ならびに既知のLYPLAL1を同定した。これらのうち7つは、顕著な男女差を示し、これらすべてが男性より女性においてWHRに対してより強い影響を示した(男女比に対するP値=1.9×10−3からP=1.2×10−13)。これらの結果は、全身肥満とは独立して体脂肪分布を調節する複数の座位がある証拠を示すとともに、性差と遺伝子の強い相互作用を示す。

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